タイトル |
初期生育が旺盛で葉腐病抵抗性を持つシバ品種「J18-1」の育成 |
担当機関 |
鳥取園試 |
研究期間 |
1984~2007 |
研究担当者 |
岸本真幸
齊藤 哲
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発行年度 |
2007 |
要約 |
県内各地から収集したシバ系統を自然交配し、固定度の高い系統からさらに葉腐病抵抗性の強い品種「J18-1」を選抜した。「J18-1」は、在来系統「坂本ノシバ」(現地選抜葉腐病抵抗性系統)より穂数が少なく紅葉が遅い。また、地下部の生育が旺盛で株張りが早い。
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キーワード |
シバ、新品種、葉腐病抵抗性、緑色保持性
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背景・ねらい |
現在本県で栽培されているシバは、50年前に県外から導入されたもので、収穫後の再生が緩慢であることから年1回の出荷が難しく、消費者がシバを張った後もシバ地の形成に時間がかかる。そこで、在来系統「坂本ノシバ」より生育が旺盛で、緑化用のシバとしての形質に優れ、葉腐病(ラージパッチ)抵抗性が強い品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成経過
1984年 県内各地から在来種や変異系統を収集 (50系統) 1986年~ 自然交雑第1代~第3代より採種。固定度の高い系統を選抜 (50系統) 1993年~ ランナー生長量や開花数の年次変動から系統選抜 (40系統) 2000年 千葉農試が確立した「培養ポット苗による葉腐病の抵抗性系統選抜法」に改良を加え、温室内で抵抗性1~4次選抜 (38系統) 2006年 露地ほ場で栽培し、定植1年目の株張りなどから実用性を評価 (3系統) 2007年 定植後2年目の生育による生産力検定 (1系統)
- 1) 草型はほふく性で、ほふく茎は「坂本ノシバ」や「メイヤー」(対照品種)に比べ、密度が非常に高い(表1)。
2) 紅葉は「坂本ノシバ」や「メイヤー」より遅く、初冬期の緑色保持性が高い(表1)。 3)葉腐病抵抗性は、「坂本ノシバ」同等で極めて強い(表1)。 4) 出穂は春のみで、穂の長さは「坂本ノシバ」や「メイヤー」より短い。また、小穂数は「メイヤー」より少なく、穂が目立たない(表2)。 5) ほふく茎や根の単位面積当たりの乾物重は、「坂本ノシバ」や「メイヤー」を上回る(表2)。 6) 被覆率からみた初期生育は、「坂本ノシバ」や「メイヤー」より旺盛である(図1、2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 主な用途はゴルフ場のラフの他、公園、運動場、都市緑化素材等である。
- 葉腐病耐性であることから、減農薬管理が期待できる。
- 平成20年3月に種苗登録を申請し、県内のシバ生産組合による種苗増殖・供給体制 を計画している。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
栽培技術
出荷調整
新品種
抵抗性
農薬
品種
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