タイトル |
SSRマーカーによる大麦・裸麦品種判別用マーカーのカタログ化 |
担当機関 |
愛媛県農業試験場 |
研究期間 |
2006~2010 |
研究担当者 |
岡本充智
藤堂 太
栗坂信之
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発行年度 |
2007 |
要約 |
国内で流通する国内外の主要な大麦・裸麦19品種について、242組のSSRマーカーのうち61組で利用可能な多型のカタログが得られ、5マーカーの組合せで全品種が判別可能な最少マーカー119セットが検出できる。
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キーワード |
大麦、裸麦、加工食品、SSRマーカー、品種判別、最少マーカーセット
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背景・ねらい |
麦茶は低関税率のコーヒー代用物として海外からの輸入が5年間で約10倍に急増し、業界からは偽装表示対策として原材料の品種判別に対する期待も大きい。また、味噌や押し麦では、他の商品と差別化し、付加価値を高めるために「国内産大麦使用」や「○○品種使用」などと表示する商品がある。消費者の食品表示に対する信頼性を確保する点から、外国産麦との判別や国内産大麦・裸麦品種間の判別が必要である。そこで、SSR(Simple Sequence Repeat)マーカーを利用して、国内で流通する国内外の主要な大麦・裸麦の品種判別に利用できるマーカーを選定する。
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成果の内容・特徴 |
- DNAは大麦・裸麦の芽生えからDNeasy Plant Maxi Kit(QIAGEN)で抽出する。
- PCRはGeneAmp PCR System 9700(アプライドバイオシステムズジャパン(以下ABI)社製)に反応チューブMicro Amp(ABI社製)を用いる。反応組成液は、鋳型DNA50ng、10μM SSRプライマー各0.75μL、DNAポリメレースAmpliTaq Gold(ABI社製)0.75U、添付の2m M dNTP混合液2.5μL及び 10×PCR Buffer2.5μLに、滅菌水を加え25μLに調整する。PCR反応の温度条件は、プライマーごとの最適条件で行う。
- 電気泳動は1サンプルあたり6μLを、Agarose21(和光純薬社製)2%のゲル、1×TBEバッファー、10V/㎝で行う。供試したSSRマーカーの増幅バンド領域は93bpから308bpである。
- 国内で流通している国内外大麦・裸麦19品種(国内14品種-国内産麦の83%、外国5品種-国内流通外麦のほぼ100%)について、242組のSSRマーカーのうち61組からマーカーセットの計算に利用可能な多型を得る。
- 多型をコンピュータソフトMinimal Marker(藤井ら、機構D-01)でマーカーセットの計算をする。19品種を判別するためには5マーカーの組み合わせが最小で、その組み合わせは119セットである(表1、図1)。
- 市販されている押し麦からDNAをDNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)で抽出し、マーカーセットでPCRを行うことにより品種が判別できる(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 押し麦以外の加工品へのマーカー適用性について検討する。
- 電気泳動を5℃で行うことにより、スマイリングを軽減できる。
- マーカーセットの精度を向上するとともに、適用品種の拡大を図る。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
大麦
加工
品種
麦茶
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