細断型ロールベーラを活用した自給粗飼料主体発酵TMRの調製給与

タイトル 細断型ロールベーラを活用した自給粗飼料主体発酵TMRの調製給与
担当機関 愛媛畜試
研究期間 2006~2010
研究担当者 福井弘之
後藤充宏(徳島農総セ畜産研)
藤谷泰裕
瀬山智博(大阪農総研)
佐竹康明
岸本勇気(愛媛畜試)
発行年度 2007
要約 トウモロコシサイレージを主たる粗飼料源とし、細断型ロールベーラを活用して調製したロール発酵TMRは、安定した良好な発酵品質を長期間保持することができる。泌乳牛における飼料の消化性、乳生産性は当日調製の未発酵TMRと同等である。
キーワード 細断型ロールベーラ、ロール発酵TMR、発酵品質、消化性、乳生産
背景・ねらい 飼料自給率の向上と高位乳生産の確保を図るためには、反収および栄養価の高いトウモロコシの利用拡大が求められる。近年、トウモロコシ収穫専用機械の細断型ロールベーラ(以下、細断型ベーラ)が開発され普及し始めている。そこで、細断型ベーラを再度活用し、自給粗飼料主体TMRを大量一括調製後、長期間保存したロール発酵TMRの品質と乳用牛への給与効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ロール発酵TMRは、自給粗飼料を29%(乾物重量比)利用したメニューで、細断型ベーラを用いることによって梱包密度349.7m3/kgと高密度にロール成型できる(表1)。
  2. ロール発酵TMRの発酵品質は貯蔵7日目からpHが安定しており、良質な発酵状態で推移している。また、長期保存しても品質は安定している(図1)。
  3. ロール発酵TMRの可消化養分総量(TDN)は未発酵TMRと同等であり、発酵によるエネルギーロスは認められない。消化率も未発酵TMRと同等である(表2)。
  4. 乳タンパク質率において差はなく、ロール発酵TMRの飼料タンパク質の利用性は未発酵TMRと同等である(表3)。
  5. ロール発酵TMRの給与は、乾物摂取量、乳量、乳成分率、ルーメン内容液性状において、未発酵TMRとの差は認められず、栄養の違いはなかった。(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 細断型ベーラをロール発酵TMRに活用することで、大量一括調製によるコストダウン、品質安定化に寄与できる。また、機械稼働率を向上させることができる。
  2. 牧草サイレージを主たる粗飼料源とし、食品製造副産物も活用して自給飼料割合を高めた発酵TMR調製の参考になる。
  3. ロール発酵TMRの発酵品質は、西日本で秋季に調製保存する場合の目安となる。
  4. 成績の処理は研究場所をブロックとみなした二元配置法で解析した。
  5. 細断型ベーラでロール発酵TMR1個を作成する費用として、約600円/個のネット・フィルム費が必要となる。
図表1 220436-1.jpg
図表2 220436-2.jpg
図表3 220436-3.jpg
図表4 220436-4.jpg
カテゴリ コスト とうもろこし トウモロコシサイレージ 乳牛

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