バイオガス発電システムにおける粗製グリセリン等廃棄物系バイオマス添加効果

タイトル バイオガス発電システムにおける粗製グリセリン等廃棄物系バイオマス添加効果
担当機関 滋賀畜技セ
研究期間 2002~2007
研究担当者 土井真也
川本友香
渡辺千春
福井英彦
藤田 耕
発行年度 2007
要約 家畜ふん尿単独処理に比べ家畜ふん尿に地域から発生する有機性資源である粗製グリセリン等を混合することによりガス発生効率が高まり、余剰エネルギーが得られるとともに二酸化炭素排出量が年間約9,000kg削減できると計算される。
キーワード 家畜ふん尿、廃棄物系バイオマス、余剰エネルギー
背景・ねらい 地球温暖化防止、新エネルギー、資源循環等の観点から、家畜ふん尿や食品廃棄物等の廃棄物系バイオマスをエネルギーに変換するメタン発酵技術が注目されている。
当センターにバイオガス発電の実証施設(以下モデルプラント)を設置し、家畜ふん尿に地域から発生する有機性資源を加えた場合のエネルギー生産について、実用規模での運転成績をまとめる。
成果の内容・特徴
  1. モデルプラントは1日処理量が5t、発酵温度55℃の高温発酵方式で、メタン発酵槽の有効容積が110m3、滞留日数は22日である(表1)。
  2. 処理材料は、乳牛ふん尿が主体で、複数の地域から発生する有機性資源を加えて運転、有機性資源を混合することにより家畜ふん尿単独に比べ、ガス発生量が増加し、メタン濃度が上昇する(表2)。
  3. 家畜ふん尿に廃シロップおよび粗製グリセリンを2%づつ加えることで、家畜ふん尿単独に比べ、ガス発生量は約2倍になり、有機物当たりのガス発生量が0.361kg/m3から0.506kg/m3と高まる(表2)。
  4. 定常運転後、家畜ふん尿に混合する有機性資源を廃シロップと粗製グリセリンに固定した場合の発生エネルギーから施設運転に要するエネルギーを差し引いた余剰エネルギーは電気が77kWh、熱が423Mcal得られる(図1)。
  5. この電力を二酸化炭素削減量に換算すると、9,027kg/年となり、カーボンニュートラルの考え方から温室効果ガス削減に貢献する(表3)。

    *カーボンニュートラル:二酸化炭素(温室効果ガス)の増減に影響を与えない性質 のこと、バイオマスから発生する二酸化炭素は大気中から吸収したものなので自然の循環系の中での増減はないという考え方
成果の活用面・留意点
  1. 本施設は高温メタン発酵により発生したガスを電気に変換するシステムで搾乳牛80頭規模に適用できる。
  2. 余剰の熱は発酵槽の加温以外は利用しなかったので電熱を併せて活用する方法、立地とし、投資効果や二酸化炭素削減効果を高める必要がある。
図表1 220437-1.jpg
カテゴリ 乳牛

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