シバ混在畦畔における薬剤散布と草刈りによるシバ優占植生への誘導技術

タイトル シバ混在畦畔における薬剤散布と草刈りによるシバ優占植生への誘導技術
担当機関 和歌山農技セ農試
研究期間 2005~2007
研究担当者 川西孝秀
垣内 仁
森本哲矢
(クミアイ化学(株))小林正典
山地充洋
花井 涼
小川安則
((財)植調)橋本仁一
山木義賢
高橋宏和
林 伸英
発行年度 2007
要約 シバが混在する畦畔では、抑草剤および除草剤の散布と草刈りを併用することにより、2~3年でシバの優占化が可能となる。シバが優占化した畦畔では、以後の草刈り作業が年2回程度で済み省力化できる。
キーワード 畦畔法面、シバ、混在、草刈り、抑草剤
背景・ねらい 畦畔法面の草刈り作業は、斜面での作業となるため危険をともない、農業従事者の高齢化が進行している中山間地域では、草刈り作業の労働負担軽減の要求が大きい。
被覆植物の1つであるシバが混在している畦畔において、シバを優占化できれば、雑草の発生が抑制され草刈り作業を省力化できると考えられる。そこで、畦畔におけるシバ優占植生への早期誘導法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. シバが混在する畦畔では、年2回の草刈りと年2回の薬剤散布の併用によりシバの被度が増加する(図1-a,b)。
  2. シバと広葉雑草やイネ科雑草が混在する一般的な畦畔の場合には、4~5月に草刈りとその10日後にビスピリバックナトリウム塩3%液剤500ml/10aの散布を行い、6~7月にビスピリバックナトリウム塩3%液剤500ml/10a+アシュラム液剤 500ml/10aを散布し、8~9月に草刈りを行うことでシバが優占化する(図1-a)。
  3. メヒシバが繁茂し、シバが混在する畦畔の場合には、4~5月に草刈りとビスピリバックナトリウム塩3%液剤500ml/10aの散布を行い、6~7月にメヒシバに対する効果が高いグリホサートイソプロピルアミン塩・MCPB水和剤 400ml/10aを散布し、8~9月に草刈りを行うことでシバの優占化が進む(図1-b)。
  4. シバが優占化した畦畔では、年間の草刈り作業は慣行畦畔の4回と比べて半分の2回で済み、雑草の発生量は慣行の約40%に抑えられる(図2)。また、シバが優占化した畦畔では、年2回の草刈りを行うことでシバの被度が維持される(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、シバが20%以上で混在する畦畔において活用できる。
  2. シバの被度が20%に満たない場合、畦畔法面の裸地化を避けるため、アシュラム液剤の使用は控え、ビスピリバックナトリウム塩3%液剤のみの使用とすることでシバの誘導が可能である。
  3. イタリアンライグラスなど大型の冬雑草が繁茂した場合、冬期のシバ休眠期に非選択性除草剤を茎葉散布する。
  4. グリホサートイソプロピルアミン塩・MCPB水和剤は、高温時に散布した場合、シバの葉枯れを生じさせ、生育を損なうことがある。
  5. シバ優占後、クローバー等の雑草が侵入する場合は、草刈り10日後にビスピリバックナトリウム塩3%液剤の散布を行う。
  6. 関連のマニュアル「在来草種への植生転換と多段テラス造成による畦畔法面の省力管理マニュアル」(2008年1月発行)に掲載。
図表1 220450-1.jpg
カテゴリ 病害虫 イタリアンライグラス 雑草 省力化 除草剤 中山間地域 薬剤

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