コムギ赤かび病菌の感染時期の違いによるDON濃度と一穂粒重への影響

タイトル コムギ赤かび病菌の感染時期の違いによるDON濃度と一穂粒重への影響
担当機関 滋賀農技セ
研究期間 2003~2007
研究担当者 金子 誠
尾賀邦雄
北澤 健
発行年度 2007
要約 赤かび病菌は出穂期~登熟中期までの感染でデオキシニバレノール(DON)を産生する。コムギの出穂10日後~20日後までに赤かび病菌に感染すると、他の時期の感染よりもDON濃度が高まり一穂粒重が減少する。
キーワード コムギ赤かび病、DON汚染、感染時期、農林61号、ふくさやか、一穂粒重
背景・ねらい 2002年よりムギ赤かび病に起因するマイコトキシンであるデオキシニバレノール(以下、DONとする)の暫定基準値が1.1ppmに設定されている。そこで、DON汚染を軽減できる防除時期を検討するため、滋賀県の主要作付け品種である農林61号とふくさやかについて、赤かび病菌の感染時期の違いによるDON濃度と一穂あたり粒重(以下、一穂粒重とする)への影響について調査する。
成果の内容・特徴
  1. 立毛中での明らかな病徴は、農林61号、ふくさやかともに、出穂期~出穂25日後の赤かび病菌の接種で認められる(データ省略)。
  2. DON産生(>0.2ppm)は、農林61号は出穂期~出穂40日後、ふくさやかは出穂期~出穂35日後までの赤かび病菌の接種で認められる。このことから、現地ほ場において出穂期から立毛中の発病が確認されない登熟中期まで、赤かび病菌の感染により、DON汚染が起こる場合がある(図1)。
  3. DON濃度は、農林61号よりもふくさやかにおいて高く、農林61号は開花期間前半(出穂5~15日後)、ふくさやかは開花期間後半(出穂10~20日後)に感染するとDON濃度が高まる傾向が認められる(図1)。
  4. 一穂粒重は、農林61号、ふくさやかともに、開花期間中の赤かび病菌の感染で減少する(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 赤かび病の防除時期の指標として活用できる。
  2. 出穂期から開花期、成熟期までの期間は栽培地域、品種、気象等で変動するので、本成果を防除時期の指標にする際は、ほ場でのムギの出穂、開花の状態を細かく調査するなどの注意が必要である。
  3. 今回供試した赤かび病菌はDON産生菌であり、西日本で多いニバレノール産生菌による影響は検討の必要がある。
図表1 220455-1.jpg
図表2 220455-2.jpg
カテゴリ 病害虫 品種 防除

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