弱毒ズッキーニ黄斑モザイクウイルスの人畜に対する安全性の検証

タイトル 弱毒ズッキーニ黄斑モザイクウイルスの人畜に対する安全性の検証
担当機関 京都農資セ
研究期間 2005~2007
研究担当者 安原壽雄(京都微研)
小坂能尚
片桐伸行(京都微研)
梁宝成(京都微研)
発行年度 2007
要約 微生物農薬の安全性試験ガイドラインに従って評価される弱毒ズッキーニ黄斑モザイクウイルスの人畜に対する安全性は極めて高い。
キーワード 弱毒ウイルス、安全性、微生物農薬、ズッキーニ黄斑モザイクウイルス
背景・ねらい 弱毒ウイルスには、我々が長年にわたって食糧としてきた農作物に多くのウイルスが感染しているという事実と、これらから作製された弱毒ウイルスによる健康被害は皆無という歴史性に基づく一定の安心感がある。しかし、消費者の‘食の安全・安心’志向が高まる中、弱毒ウイルスの安全性が厳格に評価された事例はほとんどないのが実情である。
そこで、キュウリ栽培において利用されている弱毒ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)の人畜に対する安全性について、微生物農薬の安全性評価に準じて検証する。
成果の内容・特徴
  1. 安全性評価は、「微生物農薬の安全性評価に関する基準、農林水産省農産園芸局植物防疫課(平成9年8月)」に従って実施する。
  2. ウイルス液には、弱毒ZYMV(ZYMV-2002)のカボチャ感染葉汁液(凍結乾燥製剤の水溶液)または部分純化ウイルスを用いる。
  3. 臓器、血液、培養細胞等からのウイルスの検出には、生物検定(カボチャ)、DAS-ELISA法及びRT-PCR法を用いる。いずれの方法でも、ウイルスを人為的に混ぜた各種検体磨砕乳剤から、当該ウイルスが検出できることを確認しておく。
  4. 製剤水溶液のマウスへの単回経口投与、単回静脈内投与及び単回経気道投与のいずれの試験においても、ZYMV-2002の感染性、病原性、体内生残性及び毒性は認められない(表1)。
  5. 製剤水溶液のウサギへの皮膚塗布及び点眼投与による刺激性はみられない(表2)。
  6. 哺乳動物由来培養細胞(MRC-5及びVero細胞)と部分純化ウイルスを用いた細胞培養試験では、感染性や毒性は認められない(表3)。
  7. 以上のように、弱毒ZYMVの人畜に対する安全性が懸念される結果は、まったく確認されない。
成果の活用面・留意点
  1. 弱毒ウイルスの特定防除資材指定に係る基礎資料となり得る。
  2. 当該研究は、株式会社微生物化学研究所との共同研究により実施したものであり、製剤化されたZYMV-2002は、「キュービオZY-02」水溶剤として新規農薬登録申請中である。
図表1 220456-1.gif
カテゴリ 病害虫 かぼちゃ 乾燥 きゅうり 新規農薬 ズッキーニ 農薬 防除

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