タイトル |
ウンシュウミカンの隔年結果診断・対策エキスパートシステム |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
研究期間 |
2003~2007 |
研究担当者 |
島崎昌彦
森永邦久
草塲新之助
星 典宏
平岡潔志
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発行年度 |
2007 |
要約 |
ウンシュウミカン栽培における、隔年結果の原因特定と対策選択の意志決定を支援するエキスパートシステムである。樹体の情報や栽培管理履歴の情報を入力すると、今後の隔年結果の傾向とその主な要因、および対処法や必要な技術マニュアルを出力する。
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キーワード |
ウンシュウミカン、隔年結果、エキスパートシステム
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背景・ねらい |
ウンシュウミカンの隔年結果は、多数の要因が複雑に関係する現象である。そのため、隔年結果の原因を特定した上で対策を的確に選択して実施するには、豊富な経験や知識および高い技術が必要である。しかし、すべての生産者がそのような条件を満たすわけではない。 そこで、できるだけ多くの生産者が連年安定生産を実現できるよう、園地の状況から隔年結果の傾向や主な要因を診断し、新しく開発された技術を含めた対策の選択を支援するエキスパートシステムを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本システムは、隔年結果が生じている園地に関して、一回の収穫が終わった時点で、今後の隔年結果の傾向とその原因を判断し、対策を提案することを目的とする。
- 本システムは、必要に応じて当チームらが作成した技術マニュアル等を表示する。(図1)
- 本システムに入力する情報は、樹齢や夏秋枝量、果実糖度などの樹体に関する情報と、施肥量や摘果時期などの栽培管理に関する情報である。
- 入力のためのユーザインタフェースは、ユーザが容易に的確な情報入力を行えるよう、本来は数量で表すべき事項を数段階の程度別の画像を選択肢として入力させるなどの工夫を加えたものである。(図2、図3)
- 本システムの知識ベース(「エキスパート」としての知識を蓄えたもの)はプロダクションルール(「もし~であれば~である」という形式のルール)で構成されており、各ルールは図4に示すように、条件において主語がどの程度述語の状態であるかを示す「Level Factor」を引数として要求し、条件が真であるときにアクションがどの程度の強さで生ずるかを示す「Strength Factor」を持っており、これらに対応してアクションにおけるLevel Factorが定まるようになっている。
- 本システムの推論エンジンは、基本的に後ろ向き推論を行うものであり、推論によって主な要因を診断し、関係するプロダクションルールのLevel Factorから隔年結果の傾向の強さを決定する。
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成果の活用面・留意点 |
- 本システムは、ウンシュウミカンの生産者および普及指導関係者が、隔年結果を是正する対策を検討する際の参考として用いることができる。
- 使用しながらさらに知識ベースの内容を増加して充実させることで、より精度の高いシステムとすることができる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
温州みかん
栽培技術
施肥
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