直売所活動のための定量的な立地条件把握の方法

タイトル 直売所活動のための定量的な立地条件把握の方法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2006~2007
研究担当者 高橋太一
棚田光雄
発行年度 2007
要約 市町村を一つの地域単位とし、地域の特徴を直売所活動の競合度合い、来訪者数等に関わる人口、自動車移動に関わる道路交通条件の3指標によって捉え、これら指標に基づいて8類型に区分することで、直売所のある地域の立地条件を把握することができる。
キーワード 直売所、地域条件、類型、移動時間、人口
背景・ねらい これまでの直売所活動については、農産物直売所が立地する地域の条件についての把握、分析が行われないまま、販売活動内容について問題とされることが多かった。しかし、直売所の乱立化による競合が生じつつある現在では、直売所が立地する地域の条件を販売活動に活用することが求められる。そのためには、まず基本的な情報として、直売所が立地する地域がどのような条件をもっているかを定量的に把握する必要がある。
成果の内容・特徴
  1. 市町村(2000年時点での自治体)を農産物直売所が立地する一つの地域単位とし、直売所活動に大きく関わる3つの指標によって地域の特徴を捉えた上で、地域毎の条件(地域条件)を類型化する。
  2. 地域毎の特徴は、対象地域(市町村)の中心(役場所在地)から他府県地域を含めて、消費者が直売所のリピーターとなり得るとされる移動時間120分範囲(以下、移動時間エリア)において捉える。地域間の移動時間は各地域における役場所在地間の自動車移動時間(MAPFAN.net計算・高速道路不使用)とする。
  3. 直売所活動に対して有効な情報となる立地条件として以下の3つを取り上げる。
    指標1は、対象地域の移動時間エリア内における地域数であり「地域密度」と呼ぶ。これは直売所活動を展開する上での競合度合いを間接的に示すもので、地域ブランドの形成の難易に影響を与える指標である。地域密度が低いほど競争地域が少なく特徴アピール等の面で相対的に有利となる。
    指標2は、「地域平均人口」(=移動時間エリア内の総人口/地域数)であり、直売所来訪者数や購入量に関わる基礎的な条件を示す。
    指標3は、表1の方法で算出した、自動車交通条件を表す「道路交通ネットワーク」と呼ぶ数値である。この数値は、小さいほど対象地域からみて移動エリア内の周辺各地域への自動車移動が相対的にスムーズであることを示している。
  4. 設定した分析対象範域内の各地域は3指標の平均値によって8類型で把握され、これらの地域条件を踏まえた直売所活動のポイントが明らかになる(表2)。8類型による地域区分図により、隣接する各地域の類型分布とその地理的な関係が確認され、直売所が立地する地域の条件を広域的視点から把握できる(図)。また、このような地域条件を踏まえることで直売所活動支援方策はその有効性を高めることができる。
成果の活用面・留意点
  1. 農産物直売所展開を検討するに当たって基本的情報の提供を行うもので、類型条件を有利・不利として捉えるのではなく、利用するあるいは対応するものと捉える。
  2. 高速道路利用移動時間、高速道路不使用移動距離、高速道路使用移動距離のデータについても集計している(データサンプルは広島県・滋賀県・山口県・愛媛県)。
  3. 類型化は平均値の2分割で行っており、個別地域の特徴・条件については指標の具体的数値と平均値がどの程度離れているかを参照することが望ましい。
図表1 220515-1.gif
図表2 220515-2.gif
カテゴリ 地域ブランド

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