タイトル |
不織布を用いた土壌表面被覆による土砂流出防止技術 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
不織布マルチは土壌表面を保護し、かつ、水の浸透を妨げないため、処理直後から高い土砂流出防止効果を示し、被覆率60%で土砂流出量を慣行無被覆栽培の23~45%に抑える。また、入手が容易で取扱いが簡便なため、特殊な作業機や技術を要しない。
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背景・ねらい |
近年、南西諸島の沿岸海域において農耕地等から土砂が流入し、それが海底に堆積して珊瑚が死滅するなど、自然環境への影響を通じて観光産業、沿岸漁業に大きな被害を与え深刻な社会問題となっている。特に、パインアップルなど初期生育が遅くて植付け後1年近く裸地状態が続く作物では、土砂流出が著しい。そこで、不織布を用いた土壌表面被覆により土砂流出を防止する技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 不織布マルチは、雨滴の衝撃から土壌表面を保護して土壌粒子の分散を抑え、かつ土壌中への水の浸透を妨げないため、表面流去水の発生を抑え、土砂流出を防ぐ(表1、2)。
- 不織布マルチの土砂流出防止効果は、ススキマルチよりは劣るもののポリマルチよりはその効果は高く、被覆率60%において土砂流出量は慣行無被覆栽培の23~45%に低下する。また、不織布は藁稈類に比べ入手が容易で、作業性もポリマルチと変わらない(表2)。
- 降雨強度が強いときには土砂流出防止効果の低下が認められたが、等高線方向に被覆したり被覆率を高めることで効果の維持が図られた(表3、4)。
- 10カ月程度で崩壊するのでマルチ撤去には手間がかからない。
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成果の活用面・留意点 |
- 不織布マルチは処理直後から高い効果が期待できるので、植付時期が梅雨や台風シーズンにあたる春・夏植えのパインアップル作に適応できる。
- 降雨強度が強いときは効果が低下するので、急傾斜畑など著しい土砂流出が予想される圃場では被覆法や被覆率についてさらに検討する必要がある。
- 不織布マルチの価格は約30円/m2とやや高価であり、土砂流出防止にかかる費用とその効果から被覆率を検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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