打込み式代かき同時土中点播による直播水稲の耐倒性の強化

タイトル 打込み式代かき同時土中点播による直播水稲の耐倒性の強化
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1995~1997
研究担当者
発行年度 1995
要約 代かきと同時に打込み点播することにより、湛水直播水稲の耐倒伏性が向上する。一定の広がりを与えて点播状に播種した水稲は、生育中・後期に株状の生育をし、かつ1株穂数が多く、根張りが強固となる。
背景・ねらい 水稲の湛水直播栽培は稲作の省力・低コスト化技術として開発・普及されているが、省力性の高い散播直播栽培では播種深度が浅く、転び苗や浮き苗が発生し易く、また生育後期において転び型倒伏も発生し易く、収量変動の大きな要因となっている。そこで、代かき同時播種によって省力化を図りつつ、同時に打込み点播あるいは条播を可能とする播種機を開発し、同機を用いて播種した点播および条播水稲について、倒伏に関与する押し倒し抵抗値、根張り等を調査した。なお、移植水稲も参考にして一部調査に加えた。
成果の内容・特徴
  1. 打込み式の代かき同時土中点播栽培では、打込まれた種子の分布がほぼ楕円状になり、条方向への株幅(長径)が8センチメートル前後、これと直角の幅(短径)が5センチメートル前後で(図1)、生育中・後期には株状の生育をする。また、種子の打込み面が広く、1株穂数が多くなり、根張りが強固となる。
  2. 代かきと同時に打込み播種を行うため、1株内でも出芽深の変異がかなり大きくなるが、表層近くに分布するものは少ない(図2)。
  3. 根系の発達部位は移植栽培に比べて浅くなるが、株当たりの根数は多い傾向である(図3)。
  4. 点播直播水稲は、条播直播水稲に比べて押倒し抵抗値が大きく(図4)、また転び型倒伏の様相もほとんど認められないことから、打込み式の点播によって湛水直播水稲の耐倒伏性は強化される。
成果の活用面・留意点
  1. 湛水直播水稲栽培の安定化が図られる。
  2. 上記の成果は、代かき同時土中播種機による播種(点播・条播)で、麦作跡水田(灰色低地土)で得られたもので、播種後10日間の日平均気温が21.0度であった。
  3. 代かき水は通常より少な目とし、麦稈等の浮遊のない程度にする。
  4. 播種後は自然落水させ、出芽時まで落水管理した。
  5. 点播区の収量はヒノヒカリが62.7キログラム/アール、ユメヒカリが66.1キログラム/アールであり、条播区ではヒノヒカリ及びユメヒカリとも60.0キログラム/アールであった。
図表1 220620-1.gif
図表2 220620-2.gif
図表3 220620-3.gif
図表4 220620-4.gif
カテゴリ 直播栽培 省力化 水田 水稲 低コスト 播種 水管理

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