タイトル |
リポキシゲナーゼアイソザイム全欠のだいず新品種候補系統「九州111号」 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
だいず「九州111号」は青臭みに関与する3種のリポキシゲナーゼアイソザイムの全てを欠失した系統である。風味・食味が良好な新規大豆加工食品素材として利用できる。
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背景・ねらい |
ガット・ウルグアイラウンド農業合意にみられるように、我が国の農業生産を巡る情勢は急速に変化しており、国産大豆では新たな用途に適した品種開発に対する要望が強い。食品素材としての用途拡大を制限している大豆の青臭みに関与するリポキシゲナーゼを完全に欠失させることにより、この特性を利用した新規大豆加工食品を開発して、国産大豆の需要拡大を図ることが求められている。
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成果の内容・特徴 |
- 「九州111号」はリポキシゲナーゼアイソザイムL-1とL-3を欠失する「関系2号」を母、L-2とL-3を欠失する「関系1号」を父とする交配組合せのF2種子にガンマ線照射をして育成した系統である。
- 成熟期は「スズユタカ」、「ゆめゆたか」とほぼ同じで中の早である。種皮は黄色、臍色は白目、粒大は中である。
- ダイズシストセンチュウ抵抗性は中で、ダイズモザイクウイルス病抵抗性は強である。
- 子実収量は「スズユタカ」よりやや劣るが「ゆめゆたか」と同程度である。
- 3種のリポキシゲナーゼアイソザイムの全てを欠失するため、浸漬・磨砕しても脂質過酸化度が低く、青臭みが発生しない。
- 他の食品素材と混用しても、良質で青臭みがなく脂質過酸化度を低レベルに抑えた新規加工食品が製造できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培適地は東北中南部及び北関東地域であるが、北関東地域以西でも栽培が可能である。
- 小麦、卵、食用油などと組み合わせ可能で、バラエティーに富む新規大豆加工食品が製造できるので、国産大豆の需要拡大が図られる。
- 既存品種と同様に、適正な病害虫防除を励行する。
- 裂莢性は中であるが、成熟後は速やかに収穫する。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
加工
小麦
需要拡大
新品種
大豆
抵抗性
病害虫防除
品種
品種開発
良食味
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