タイトル |
イタリアンライグラス厚播きによるカラクサナズナの耕種的防除 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1993~1996 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1995 |
要約 |
イタリアンライグラスを通常量の2倍で厚播きすることにより、カラクサナズナの生長と着花を抑制できる。また、この場合のイタリアンライグラス中への本雑草混入量は微小であり、それを採食した牛の牛乳にも異常臭は感じられない。
|
背景・ねらい |
帰化雑草カラクサナズナ(カラクサガラシ、インチンナズナ、学名:Coronopusdidymus)は、イタリアンライグラス等の冬作飼料畑中に発生し、牛が採食すると、牛乳に異常臭を生じることがある。イタリアンライグラス中に発生した本雑草は発見しにくく、また、除草剤による防除も困難であるため、耕種的な防除法の開発が必要である。
|
成果の内容・特徴 |
- カラクサナズナは越年性雑草であり、イタリアンライグラスの播種時期に当たる9~10月に出芽し、翌春に開花・結実しながら生長し、6~7月に枯死する。
- イタリアンライグラスを通常の倍量(5.0キログラム/10アール)で播種すると(厚播き区)カラクサナズナの生長を大幅に抑制できる(表1)。
- 厚播き区のイタリアンライグラス収量は、通常量(2.5キログラム/10アール)を播種した区(標準区)と同等である。厚播き区のイタリアンライグラスへのカラクサナズナの混入量は、乾物ベースで0.075%となる(表1)。
- 乳牛の通常の給与条件で、厚播き区のイタリアンライグラスへの混入量の2倍に相当するカラクサナズナを給与しても(表2)、牛乳の異常臭は感じられない(表3)。
- イタリアンライグラスを厚播きにすると、カラクサナズナの花器形成を抑制できるので、本雑草の以降の蔓延を防止できる(表1)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 供試イタリアンライグラスは、立型の品種(タチワセ)であり、異なる草型の品種等への適用については未検討である。
- イタリアンライグラス2番草については未検討である。
- 牛乳の異常臭の官能試験は九州農業試験場職員による。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
病害虫
イタリアンライグラス
雑草
除草剤
乳牛
播種
品種
防除
|