タイトル |
中山間市町村における土地利用区分手法のフレーム |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
中山間地域で戦略的に農業を展開するための土地利用区分手法として、農業センサスと地形図、土壌図などの図面に基づく、自然条件及び経営・経済条件に関する少数の指標を用いて、農業集落単位で農業生産からみた土地利用適性を類型化するフレームを作成した。
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背景・ねらい |
耕作放棄地の急増に象徴されるように、中山間地域農業の空洞化が深刻化している。地域の活性化を目指して農業を戦略的に展開するためには、市町村が農業振興をはかる際の参考となる、中山間地域における具体的な土地利用区分手法を開発する必要がある。モデル地域で開発する土地利用区分手法が、他の中山間地域にも適用可能な汎用性を有し、実際的な手法となるよう、既存データと図面を活用した簡単な手順によるフレームを作成することに力点を置いた。
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成果の内容・特徴 |
- 中山間地域が占める農業生産のシェアは、九州地域においては、土地・人的資源ともに全国平均に比べて高い(表1)。
- 中山間市町村を農業集落単位に土地利用区分する手法のフレームは、図1に示すとおりである。フレームの現地適合性は、熊本県矢部町をモデル地域として検証している。
- 土地利用区分のための基本的な指標は、自然条件に関しては、ア.傾斜、イ.土壌生産力、ウ.気温、の3指標が、経営・経済条件に関しては、ア.一戸当たり農業所得、イ.平均経営規模、ウ.基幹労働力、の3指標が、それぞれ重要度の高い代表的な指標である。
- 平均気温は標高地と高い相関を示し、気温指標は観測を要することなく地形図から読みとった標高値で代替することができる(図2)。
- 図1の土地利用区分のフレームは、農業センサスと既存の図面を用いることにより、他の中山間地域にも簡単に適用することができる。
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成果の活用面・留意点 |
九州各県の農業試験研究機関に成果を受け渡し、各県での適用をはかり手法の精緻化を進める。中山間地域の中で水稲作付割合の高い地域を想定して概定したフレームであることに留意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
経営管理
水稲
中山間地域
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