段畑の石垣の反射日射の効果と形態係数を用いたその定量的な評価

タイトル 段畑の石垣の反射日射の効果と形態係数を用いたその定量的な評価
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 段畑傾斜地の石垣周辺では石垣からの反射日射により日射強度が大きい。地温も高く、蒸発量が多いため土壌の乾燥化が進み易い。反射日射の影響を形態係数で表せ、これを指標として石垣周辺の日射強度を推定することができる。
背景・ねらい 農地の有利な地形条件を利用するため、沿岸傾斜地でよくみられ、柑橘類の品質向上に寄与しているといわれる段畑の石垣周辺の日射環境について、住宅用サイディングボード(以上、壁面)を石垣と想定し、壁面南側(図1)の日射環境等の有利な特性について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 石垣によく使われるカコウ岩とほぼ同様の反射スペクトルを示す南向きの壁面周辺では、反射日射の影響のない場所の日射強度に比べて、反射日射の影響で日射強度が大きい。反射日射の影響を受ける壁面周辺の日射強度(相対値)は反射日射の影響の度合を表す地面から壁面の形態係数で表せ、形態係数を用いることによって石垣からの反射日射の強度を推定することができる(図2)。
  2. 晴天日の地温の日変化は、日射強度の増加にともない、壁面に近い形態係数が大きい地点ほど高く推移する。特に、夜間の壁面に近いA地点と壁面から遠いC地点の地温の差が大きい(図3)。
  3. 壁面周辺では日射強度が大きく、地温が高いため蒸発量も壁面周辺で多く(図4)、潅水、降水時の水分補給量を均一と仮定すれば、土壌の乾燥化が進みやすい。これは、糖酸比の高い柑橘類の生産条件に適合している。
成果の活用面・留意点 石垣の日射の反射率及び地面からみた石垣の形態係数を用いることにより、段畑における南向きの石垣の反射日射強度を定量的に推定することができる。
図表1 220648-1.gif
図表2 220648-2.gif
図表3 220648-3.gif
図表4 220648-4.gif
カテゴリ 乾燥 傾斜地

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