タイトル |
リポキシゲナーゼ完全欠失あるいは部分欠失大豆の青臭みを低減させる加工法 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
リポキシゲナーゼ完全欠失あるいは部分欠失大豆であっても、ヒドロペルオキシドリアーゼ活性は残存するので、非酵素的に過酸化脂質が生成されると青臭みを発生する。これら大豆で青臭みのない加工食品を製造するには、過酸化脂質が生成しにくいpH・温度領域で加工するとよい。
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背景・ねらい |
大豆の青臭みは、食品素材としての大豆の利用を大きく制限している。そこで、大豆の青臭みの発生機構を解明し、その制御方法を確立することにより、リポキシゲナーゼ完全欠失あるいは部分欠失大豆を利用した風味・食味に優れた新規大豆加工食品開発を目指す。
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成果の内容・特徴 |
- リポキシゲナーゼの作用を受けて生じた過酸化脂質(13-LOOH)がヒドロペルオキシドリアーゼにより開裂されて、大豆青臭みの主成分であるn-ヘキサナールが発生する(図1)。
- リポキシゲナーゼ完全欠失大豆(九州 111号)、部分欠失大豆(ゆめゆたか、関東 102号、九州 119号)(表1)でも、ヒドロペルオキシドリアーゼ活性が認められる(図2)。このため、非酵素的に過酸化脂質(DETBA[=ジエチルチオバルビツール酸]反応物質で評価)が生成されると青臭みを発生する。
- 良質な大豆加工食品を製造するには、リポキシゲナーゼ完全欠失大豆を利用するのが最も好ましい。リポキシゲナーゼ部分欠失大豆を利用する場合には、n-ヘキサナールの前駆物質である過酸化脂質が生成し難い温度領域(60~70度)・pH領域(L-1もしくはL-3のみを含む大豆ではpH4~6、L-2のみを含む大豆ではpH8~10)で加工を行うと青臭みがない製品ができる(図3、4)。
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成果の活用面・留意点 |
- リポキシゲナーゼ完全欠失あるいは部分欠失大豆食品素材と他の食品素材とを混和した新規大豆加工食品の製造が可能である。
- 平成7年度に、「九州 111号」は命名登録を、「九州 119号」は品種登録を行う予定である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
加工
大豆
品種
良食味
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