タイトル |
乾燥法によるカンショ胚様体の凍結保存 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
アブシジン酸(ABA)添加培地で誘導した「高系14号」の胚様体を相対湿度60%で約2週間乾燥すると、液体窒素中で凍結保存できる。保存した胚様体は発芽し、植物体に成長する。
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背景・ねらい |
現在実用化されている茎頂培養によるカンショのウイルスフリー苗生産にかわる技術として、胚様体を利用したより効率的な種苗生産システムを開発するには、胚様体の超低温下での保温技術が必要である。凍結保存に先立つ前処理として、乾燥法は特別な装置を必要としない簡便な手法であるが、これをカンショ胚様体に適用し、凍結保存を試みた。
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成果の内容・特徴 |
- オーキシン(1mg/12、4-D及びNAA)を含む培地で茎頂から作出したカルスをアブシジン酸添加改変MS培地で培養して得た胚様体は、15度または27度、相対湿度60%で約2週間乾燥すると、水分含量は約9%になり、-196度の液体窒素中で凍結保存が可能になる(写真2)。
- 保存した胚様体の約30~40%はホルモンフリーMS培地で発芽し、植物体に成長する(表1及び写真1)。
- 乾燥温度は15度の方が、27度に比べて発芽率が約4%ほど高い(表1)。
- サイズの大きい胚は、凍結保存後の発芽率が高い(表2)。
- 凍結保存により、胚様体由来の植物体で葉形、いもの形状や結藷性など形態的な異常が増えることはない(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- カンショ胚様体を凍結保存する場合に前処理として乾燥法が適用できる。
- 胚様体からの再生植物体には形態的な異常が認められる場合があるので注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
かんしょ
乾燥
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