肉用雌牛の正常発情周期中の卵胞の発育動態と繁殖ホルモン濃度の変化

タイトル 肉用雌牛の正常発情周期中の卵胞の発育動態と繁殖ホルモン濃度の変化
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1991~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 雌牛の発情周期中では、一群の卵胞が発育する卵胞の発育波が3回出現する。血中の卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度はすべて発育波の出現に先立ち上昇を示し、発育波が出現すると低下する。インヒビン濃度はすべての発育波の出現に一致して上昇する。エストラジオール濃度は第1次卵胞発育波および第3次卵胞発育波の出現後に明らかな上昇を示す。
背景・ねらい 卵子産生の制御は家畜の繁殖効率の向上にとって重要な課題である。特に、牛においては過剰排卵処置の成績の個体差が大きな問題となっている。本研究では、雌牛の正常発情周期中の卵胞の発育動態と各種繁殖ホルモン濃度の変化を明らかにすることにより、過剰排卵処置技術の確立のための基礎的知見を得る。
成果の内容・特徴 肉用種成雌牛7頭を供試し、卵胞の発育はエコーカメラで観察し、頚静脈血中の繁殖ホルモン濃度はRIA法で測定した。
  1. 雌牛の発情周期中では、一群の卵胞が発育する卵胞の発育波が3回出現する。それぞれの発育波では、必ず1個の卵胞のみが大型化し(主席卵胞)、その他の卵胞は退行する(図1a)。
  2. 血中のFSH濃度はすべての発育波の出現に先立ち上昇を示すが、卵胞の発育波が出現すると、FSH濃度は低下し、主席卵胞の発育過程では低値で推移する(図1c)。
  3. 血中のインヒビン濃度はすべての発育波の出現に一致して上昇し、主席卵胞の発育過程では高値を示す(図1c)。
  4. 血中のエストラジオール濃度は第2次卵胞発育波の出現に伴う上昇は認められないが、第1次卵胞発育波および第3次卵胞発育波の出現後には明らかな上昇を示す(図1b)。
成果の活用面・留意点 主席卵胞の発育動態とFSHに対して抑制的作用を有するインヒビン濃度の推移のデータは過剰排卵処置の適期把握に活用できる。
図表1 220672-1.gif
カテゴリ 繁殖性改善

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