タイトル |
ハウス乾燥乳牛ふんの堆肥化方式 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
乳牛ふんをハウス乾燥し強制通気式堆肥舎で堆肥化する場合は、乳牛ふんをハウスで含水率67~70%まで予乾し、週毎に設定した通気量に調整して管理することにより4週間で効率的に1次発酵が完了する。
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背景・ねらい |
近年、酪農においても飼養規模の拡大により余剰ふん尿の流通化が重要課題となっている。ふん尿の流通化の場合は堆肥化処理が前提となるが、オガクズ等の副資材の不足と価格の高騰から、副資材を使わずにハウスで乳牛ふんを予乾し、通気式堆肥舎で堆肥化する方式(図1)が普及しつつある。しかしながら、通気不足による発酵不良や、過乾燥による発酵遅延の問題があり、適正な水分調製指標と通気管理指針を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 排汁や過乾燥をおこさないハウス乾燥終了時の乳牛ふんの適正含水率は67~70%の範囲である。
- 堆肥化のための適正通気量は、堆肥化開始時の堆肥容積1立方メートル当たり1週目が80L/min、2週目が46L/min、3週目が33L/min、4週目が30L/minである。
- 1次発酵(高温発酵)の所要期間は切り返し回数週1回で4週間であり、1次発酵中に有機物の36%が分解し安定化する(図2,図3)。
- 処理経費は仕上がり堆肥1t当たり4.4~5千円、搾乳牛1頭1年当たり14~16千円と試算される(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- ハウス乾燥併用方式の乳牛の堆肥化施設の設計・改良指針として利用できる。
- ハウスの乾燥能力は季節により大きく変動するため、冬期間に乾燥能力が不足する場合は夏期に乾燥ふん作っておき、乾燥ふんと混合して水分調製する必要がある。
- 各発酵槽には個別にタイマとブロワを設置し、発酵状況に応じて15分刻みの24時間タイマで通気量を調節する。
- 処理経費には労働費、資本利子、地代、固定資産税は含めていないので地域の実状に合わせ加算する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
乾燥
乳牛
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