タイトル |
畦表面硬化栽培による青果用カンショの収量と品質の向上 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
背景・ねらい |
畦の表面を硬化し,地下への水の浸透量を制限することで,畑地からの窒素溶脱に起因する地下水汚染の防止を図る栽培法を開発し,その効果の高いことを明らかにした(肥料溶脱を低減するかんしょの耕うん・畦立法:平成4年度成果情報)。しかし,この栽培法が作物の生育・収量,品質に及ぼす影響については未解明であった。そこで,畦表面硬化栽培がカンショの収量・品質に及ぼす影響について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 畦表面硬化栽培ではカンショ塊根の生育は慣行露地栽培と変わらないが,塊根の着生直後から長/径比は低く,早期より肥大が促進される(図1)。
- 畦表面硬化栽培での塊根収量はマルチ畦よりは劣るものの慣行露地栽培の約1割増で,その増収は肥大促進による塊根1個重の増大によるもので,屑イモが減少しA品率が向上する(表1)。
- 畦表面硬化栽培では皮色のL*値が小さく,a*値が大きく赤紫色となり,皮色が向上する(表1)。
- 畦表面の硬化程度は畦立て時の土壌水分状態に左右され,湿潤条件で硬化程度が高まるが,畦立て後の散水でも硬化程度は向上する(表2)。
- 畦表面の硬化程度が高いほど収量も高まり,長/径比も低下する(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- クロボク土壌のカンショ作,特にイモが長くなり易い品種の栽培に適用できる。
- 硬化程度が過度に高いと,短紡錘形の丸イモが形成され易いので,土壌の種類や水分条件に注意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
かんしょ
品種
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