泌乳牛におけるスーダングラスサイレージの飼料価値

タイトル 泌乳牛におけるスーダングラスサイレージの飼料価値
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 スーダングラスは刈り取り適期が出穂期で、そのサイレージは乾物あたり57~63%の可消化養分総量を有し、泌乳牛の飼料として乾物中25%程度配合して利用できる。
背景・ねらい 大規模酪農においては、飼料作物生産の省力化が緊急かつ重要な課題となっている。スーダングラスはロールベール体系による省力的な栽培が可能であり、倒伏に強く台風の被害を受けにくいことなどから、乳牛用飼料としての期待が高まっている。しかし、サイレージ調製した場合の飼料成分および飼料特性は十分に検討されておらず、日本標準飼料成分表(1995年版)にもその記載がなかった。そこで、スーダングラスサイレージの飼料価値を評価し、給与方法を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 刈り取り適期:スーダングラス(ヘイスーダン:HSK1)原料草の消化率は、出穂期の前半まで高い値を示す。しかし、出穂前では硝酸態窒素含量が高いことから、出穂期に刈りりを行うのが好ましい(表1)。
  2. 栄養価:スーダングラスサイレージの乾物消化率およびME含量から推定したTDN含量は、1番草が62.8%、59.4%、2番草が59.6%、61.0%、3番草が57.8%、57.4%であり、各番草とも消化性、栄養価ともに良好である(表2)。
  3. 産乳効果:泌乳牛を用いて、スーダングラスサイレージとトウモロコシサイレージ混合飼料の飼料価値を比較したところ、スーダングラスサイレージは飼料摂取量において若干劣るものの、トウモロコシの代替が可能であり、西南暖地の泌乳牛用飼料として十分に利用できると判断される(表3、表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 出穂期に収穫したスーダングラスは、乳量水準約30kgの泌乳牛用の飼料として利用できる。
  2. 硝酸態窒素中毒を避けるため、スーダングラスは若刈りを避けるとともに給与量を給与乾物量の25%程度にとどめる。
図表1 220705-1.JPG
図表2 220705-2.JPG
図表3 220705-3.JPG
図表4 220705-4.JPG
カテゴリ 省力化 飼料作物 とうもろこし トウモロコシサイレージ 乳牛

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