タイトル |
窒素排泄量削減を考慮した豚の飼料設計プログラム |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1997~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
豚の飼料設計において、最も安価な飼料設計を求めるだけでなく、窒素排泄量の削減を制約条件として考慮できるプログラムを表計算ソフトにより作成した。このプログラムにより、窒素排泄量の削減と飼料費のトレードオフ関係を分析することができる。
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背景・ねらい |
豚の栄養管理技術の高度化により家畜排泄物中の窒素排泄量を削減させることができ、家畜排泄物に由来する環境負荷の軽減に有効である。しかしこの方法は、技術的にはほぼ完成しているが、飼料費の点で問題がある。そこで、飼料費と窒素排泄量削減の両方に対応できるプログラムを作成し、そのトレードオフ(同時には達成できない要因)関係の適切なバランスを見出すことができるようにする。
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成果の内容・特徴 |
本プログラムは、Excel95上でVBA(Visual Basic for Applications)を用いて開発した。機能的には以下のような特徴を持っている。
- 飼料の設定:日本標準飼料成分表(1995年版)にアミノ酸含量が掲載されている飼料と単体アミノ酸は、一覧表のなかから選択し、価格を入力するだけで飼料設計に組み込むことができる。それ以外の飼料を設計に組み込む場合は、成分含量を入力する。
- 豚の要求量:豚の体重と期待増体日量を入力することにより、日本飼養標準・豚(1998年版)にもとづくエネルギー要求量と12種類の必須アミノ酸要求量を算出している。
- 飼料設計:豚の要求量を満たすことを制約条件とし、最低コストの飼料設計を線形計画法により求める。さらに、窒素排泄量の削減を段階的な制約条件として、モデルⅠからⅣのような段階的な飼料設計を求めることができる(表1)。
- トレードオフ図の作成:これらの分析結果にもとづき、窒素排泄量の削減と飼料費のトレードオフ関係を図1のように示すことができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 窒素処理費用が負担となっている養豚経営では、飼料費を増加させても窒素排泄量を減らすことが経済的に有利となっている。このような経営の飼料設計を支援することができる。
- 本プログラムが稼動するためには、表計算ソフトのExcel97またはExcel95が必要であり、線形計画法による最適化はこれに付属するソルバー機能を利用している。
- 低蛋白アミノ酸添加飼料では厚脂になりやすい傾向がみられるので、その問題の解決が残されている。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
管理技術
経営管理
飼料設計
低コスト
豚
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