良質香り米の水稲新品種候補系統「南海138号」

タイトル 良質香り米の水稲新品種候補系統「南海138号」
担当機関 宮崎県総合農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 山下浩
永吉嘉文
堤省一朗
若杉佳司
滝田正
吉岡秀樹
川口満
日高秀光
荒砂英人
薗田豊和
発行年度 1998
要約 水稲「南海138号」は、東北144号(後の「はぎのかおり」)/南海122号の組合せから育成された中生の香り米で、良質、多収の特徴がある。このため認定品種「日向かおり」に替わって宮崎県で普及が予定されている。宮崎県総合農業試験場・作物部・育種科
背景・ねらい 宮崎県における香り米は、県西北部の中山間地域の地域振興を図る目的で、「日向かおり」が栽培されている。しかし、「日向かおり」は低収である他、玄米の光沢が乏しく品質が劣る欠点を持つ。このため、早生から中生の熟期で良質、栽培特性の優れた香米品種の育成が強く求められていた。
成果の内容・特徴 「南海138号」は平成3年、宮崎県総合農業試験場において、極早生で香り米の「東北144号」を母、中生良質の「南海122号」を父として人工交配を行った組合せから育成された。本系統の特性は、以下のとおりである。
  1. 「日向かおり」に比べて、出穂期は1日遅く、成熟期は1日早い“中生の中”に属する粳種である。
  2. 「日向かおり」に比べて、稈長と、穂長は同程度で、穂数はやや多い。草型は“偏穂数型”である。
  3. 止葉はやや垂れるが、草姿は良好である。芒はない。
  4. 耐倒伏性は“中”、脱粒性は“難”、穂発芽性は「日向かおり」の“中”に対し“やや難”である。
  5. いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pia”と推定され、葉いもち圃場抵抗性、穂いもち圃場抵抗性とも“やや強”である。
  6. 「日向かおり」と比較して、玄米千粒重は同等で、玄米の外観品質はやや優れ、収量性は高い。
  7. 「日向かおり」と同様に香りを有する。
成果の活用面・留意点
  1. 県北部中山間地域を中心に「日向かおり」に替えて、20haの普及を図る。
  2. 識別性がないので、種子の取扱に留意する。
  3. 白葉枯病抵抗性は“やや弱”なので常発地での栽培は避ける。

図表1 220748-1.gif
カテゴリ 育種 いもち病 新品種 水稲 中山間地域 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種

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