タイトル |
水稲中生品種の6月中旬播種乳苗移植栽培技術と水稲乾田直播の補完技術 |
担当機関 |
長崎県総合農林試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
水稲中生品種を6月中旬に播種し下旬に移植する乳苗移植栽培が可能である。また、6月上旬の麦跡水稲乾田直播が断続的な降雨により不可能となった場合、準備した催芽種子を摂氏5度冷蔵保存すれば乳苗育苗に使用できる。
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背景・ねらい |
従来、水稲中生品種の移植限界は稚苗で6月下旬とされているが、干ばつ等気象災害や育苗の失敗で再育苗を余儀なくされた場合の対策が不十分であった。そこで、6月中旬に播種し下旬に移植する乳苗移植栽培の可能性を明らかにする。更に、その技術を利用して、播種時の断続した降雨により播種時期が遅延する等の危険性が大きい乾田直播栽培の補完技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 6月中旬にロックウールマットを使用して乾籾換算200g/箱を播種する乳苗育苗(約10日苗)により、6月下旬に移植する乳苗移植栽培が可能である。収量、品質及び食味については6月下旬植の稚苗移植栽培と遜色ない(表1、表2)。
- 乳苗移植に際しては代掻き作業を同時に行う表層砕土同時移植機(M社製ハロー田植機MHP7HXG)が利用可能で、作業が省力化できる(表1)。その際、必要な箱数は14箱/10aで、コストが低減できる(データ略)。
- 催芽種子は摂氏5度冷蔵保存すると20日間以上良好な発芽率・発芽勢が維持できるので、6月上旬播種の乾田直播が断続的な降雨により不可能となった場合には準備した種子を使用できる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 催芽籾の摂氏5度保存に際しては水切り後概ね5kg程度ずつ小分けし、ビニル袋に入れ密閉する。
- 乳苗移植は田植機の爪の苗かき取り調整を入念に行うか又は専用爪を用いる。
- 予め6月上旬直播を目的として耕耘・整地した圃場に6月下旬入水しハロー田植えする場合、雑草が発生するので移植前に対策を講じる。また、用いる除草剤は処理後の高温に注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
乾田直播
コスト
栽培技術
雑草
省力化
除草剤
水稲
播種
品種
良食味
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