水稲の麦後湛水直播における「夢いずみ(熊本3号)」の安定栽培法

タイトル 水稲の麦後湛水直播における「夢いずみ(熊本3号)」の安定栽培法
担当機関 熊本県農業研究センター
研究期間 1998~2000
研究担当者 児嶋清
住吉正
川名義明
発行年度 1998
要約 水稲晩生種「夢いずみ(熊本3号)」の麦後湛水直播(散播、条播)における播種適期は5月下旬から6月上旬である。平方メートル当たり適正苗立本数は80本程度である。この場合の施肥体系は慣行移植に準じ、追肥は、出穂前25日(穂肥)と15日(晩期穂肥)の2回の施肥体系で収量及び品質が安定する。
背景・ねらい 水稲作の省力・低コスト化の有効な手段として湛水直播栽培の導入があげられる。熊本県の湛水直播は中生種「ヒノヒカリ」を中心に栽培がなされているが、長稈で倒伏し易いことから直播適性の高い品種の要望が強くなっている。一方、平成9年に熊本県で奨励品種に採用した晩生種「夢いずみ(熊本3号)」は、「ヒノヒカリ」の作付が多い球磨地域並びに山麓準平坦地域を中心に普及が図られているが、転び苗の発生が少なく、耐倒伏性が強い等の特性を持っており、直播用としても普及が期待されている。そこで、「夢いずみ」の麦後湛水直播栽培を想定した栽培基準を作成するため、播種の適期幅及び施肥体系について検討を行った。
成果の内容・特徴
  1. 「夢いずみ(熊本3号)」の直播における栽培特性としては倒伏し難く、収量は「ヒノヒカリ」に比べ安定し、直播適性が高い(表1)。
  2. 6月中旬播種では晩熟による品質低下がみられることから、播種適期は5月下旬から6月上旬である(表1)。
  3. 直播における生育形質・倒伏・収量性からみた平方メートル当たり適正苗立数は80本程度である(表2)。
  4. 施肥は慣行移植に準じ、平方メートル当たり苗立数が80本程度の場合、追肥は、出穂前25日(穂肥)と15日(晩期穂肥)の2回の施肥体系で収量及び品質が安定する(表2)。
  5. 以上の苗立数及び施肥体系の指標を基に大区画圃場(1ha)で現地実証を行った結果、収量は移植に比べると9%程度直播が劣るが、条播と散播では大きな差は認められない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 湛水表面散播直播の播種は水田土壌面が軟らかい代かき直後または代かき1日後に表面排水して実施する。
  2. 本技術の適応地域は球磨地域及び山麓準平坦地域である。
  3. ウンカ類対策として6月下旬以降の飛来時に薬剤による防除を行う。その他の、病害虫防除及び雑草防除等の栽培管理は県の耕種基準に準ずる。
  4. スクミリンゴガイの生息地では、出芽後は潤土管理等によりイネの食害防止対策が必要である。
図表1 220769-1.gif
図表2 220769-2.gif
図表3 220769-3.gif
カテゴリ 病害虫 栽培技術 雑草 直播栽培 水田 水稲 スクミリンゴガイ 施肥 低コスト 播種 病害虫防除 品種 防除 薬剤

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる