サトウキビ品質選抜に利用できる近赤外分析用検量線

タイトル サトウキビ品質選抜に利用できる近赤外分析用検量線
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 :氏原邦博
杉本明
前田秀樹
発行年度 1998
要約 サトウキビ品種選抜試験におけるブリックス及び蔗汁糖度の分析に適用可能な近赤外分析用検量線を作成した。この検量線の利用により、多数の系統のブリックス及び蔗汁糖度が簡便に測定できるため、品種選抜試験における品質評価の効率化が図られる。九州農業試験場・作物開発部・さとうきび育種研究室
背景・ねらい これまでサトウキビの育種研究における品質分析は自動検糖計で行ってきた。サトウキビの原料取引は近赤外分光分析計(NIR)で行われているが、変異の大きい品種・系統の品質評価に適用が可能な検量線は作成されておらず、NIRの育種研究への利用ができなかった。そこで、産地および品種・系統の異なる多数の材料のブリックス、蔗汁糖度の分析に適用できる検量線を作成し、NIRを活用して鹿児島県内各地で実施している品種選抜・選定試験の品質評価の効率化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 熊毛地域と大島地域の気象条件及び土壌条件等の差異を考慮して地域別に作成した検量線であり、糖類に関係している波長を含んでいる。
  2. 熊毛地域のブリックス、糖度ともに6波長の検量線を用いる。大島地域のブリックスについては7波長の検量線、糖度については3波長の検量線を用いる。
  3. この検量線により品種選抜試験に供試する系統のブリックス及び蔗汁糖度が高精度で測定できる(図1・図2・図3・図4)。
  4. ブリックスおよび蔗汁糖度の実測値から算出した可製糖率とこの検量線を用いて得られた測定値から算出した可製糖率との間には、両地域ともに高い正の相関が認められる(熊毛地域:r=0.988**、大島地域:r=0.989**)。
成果の活用面・留意点
  1. 開発した検量線を用いてサトウキビの品種選抜・選定試験の品質評価にNIRを活用することにより、劇物である塩基性酢酸鉛による前処理が不要になり、作業が省力化される。
  2. フィルタ型式のNIRへ検量線の応用が可能である。
  3. この検量線は鹿児島県内の南西諸島向けであるが、補正により沖縄地域にも適用が可能である。
  4. 毎年数点を分析し、年度間の誤差を修正することが必要である。
図表1 220790-1.gif
図表2 220790-2.gif
図表3 220790-3.gif
図表4 220790-4.gif
カテゴリ 育種 近赤外分析 さとうきび 省力化 品種

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