サトウキビの品種育成に必要な高糖性及び早熟性を定量的に評価するための指標

タイトル サトウキビの品種育成に必要な高糖性及び早熟性を定量的に評価するための指標
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 氏原邦博
勝田義満
杉本明
前田秀樹
発行年度 1998
要約 サトウキビの早期高糖性品種育成に必要な、高糖性及び早熟性を定量的に評価するための指標(糖度比、最高糖度比、登熟程度比)を考案した。それらを用いると、交配母本の選定や育成地での初期選抜の効率化に必要な具体的特性が明らかにできる。九州農業試験場・作物開発部・さとうきび育種研究室
背景・ねらい 南西諸島各地におけるサトウキビの品質向上には早期高糖性品種の利用が有効であるが、これまでは、高糖性や早熟性が定量的に評価できないため交配母本の選定や育成地における初期選抜が効率的に実施できなかった。そこで、高糖性や早熟性を定量的に評価し得る指標を設定し、それを用いて交配母本の選定や初期選抜の精度向上に必要な具体的品種特性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. サトウキビの高糖性及び早熟性は、「糖度比」、「最高糖度比」、「登熟程度比」で表せる(表1)。
    1. 糖度比:品種・系統の各時期の糖度の基準となる品種の同時期の糖度に対する比=(各調査時期の系統の糖度/基準となる品種の同時期の糖度)×100
    2. 最高糖度比:品種・系統の最高糖度の基準となる品種の最高糖度に対する比=(各系統の生育期間中の最高糖度/基準となる品種の生育期間中の最高糖度)×100
    3. 登熟程度比:品種・系統の各時期の登熟程度の基準となる品種の同時期の登熟程度に対する比={供試系統の(各調査時期の糖度/最高糖度)/基準となる品種の(同時期の糖度/最高糖度)}×100
  2. 3つの指標の値は、年次間に正の相関関係が認められ、再現性が高い(表2)。
  3. 南西諸島各地の地域間の糖度の平均値は、種子島における12月の糖度比と比較的相関が高く、地域間の変動係数は、最高糖度比ではなく11月の糖度比と比較的相関が高い(表3)。
  4. 12月の糖度比は最高糖度比との相関が高く、11月の糖度比は同月の登熟程度比との相関が高い(表4)。
  5. 種子島で品種育成を行う場合は、最高糖度が高い特性と、11月の登熟程度が高い特性とを交配で組み合わせ、11月、12月の糖度を重視して選抜することが重要である(表3、表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 早期高糖性品種育成のための交配母本の選定、及び、育成地での初期選抜試験における供試系統の高糖性評価の実施時期決定に有効である。
  2. 指標の値そのものは地域により異なるので、育成地の所在地で指標の値を求めることが必要である。
図表1 220791-1.gif
図表2 220791-2.gif
図表3 220791-3.gif
図表4 220791-4.gif
カテゴリ 育種 さとうきび 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる