高温時における搾乳牛への冷水マット使用効果

タイトル 高温時における搾乳牛への冷水マット使用効果
担当機関 熊本県農業研究センター
研究期間 1997~1997
研究担当者 圓山繁
野中敏道
開俊彦
発行年度 1998
要約 高温時における暑熱対策の一環として、冷水を通水できるゴムマットを使用すると、横臥時の呼吸数は12.4回、体温は摂氏0.31度減少し、それぞれ1%水準で有意差が生じる。同様に飼料摂取量は6~9%、乳量は6~8%の範囲で増加する。熊本県農業研究センター・畜産研究所・大家畜部
背景・ねらい 夏季における搾乳牛への暑熱対策としては、大型扇風機と細霧ノズルを組み合わせた牛舎内冷却や牛体散水による体表面の冷却が-般的である。しかし、細霧ノズルの利用については、牛舎内湿度の上昇による不快指数の増加、衛生面での問題点が残っており、牛体散水については、汚水の増加が問題となる。夏季においては、乳牛は横臥すると体温が上昇し、特に暑熱の厳しい昼間は、体熱の体表面からの放散が制限されるため、搾乳牛は起立している状態が多くなる。この結果、横臥時の反芻.休息状態は少なくなり生産性の低下を招くと考えられる。そこで、横臥状態を確保するため、冷水を通水するゴムマットを作製し、牛体生理.採食.泌乳効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. マット入水温は概ね摂氏15度で、マット排水温はマットの種類によって異なり摂氏21.4~26.5度の範囲である(表1)。
  2. 搾乳牛の呼吸数は、対照区は横臥によって1時間後に6.8回上昇する。水マット区は逆に5.6回減少し1%水準で有意差が生じる(表2)。
  3. 搾乳牛の体温は、対照区は横臥によって1時間後に摂氏0.26度上昇する。水マット区は逆に摂氏0.05度下降する(表3)。
  4. 飼料摂取量は1、2、3号冷水マット共に6~9%の範囲で増加する(表4)。
  5. 乳量は1、2、3号冷水マット共に6~8%の範囲で増加する(表5)。
  6. 乳脂肪率は冷水マット区が7%多く、乳蛋白質.無脂固形分は逆に冷水マット区が2%少ない(表6)。
  7. 乳固形分量は冷水マット区が2.92kg、対照区が2.7kgで、冷水マット区が8%多い(表6)。
成果の活用面・留意点
  1. 高泌乳牛や体調不良牛では、特に効果が期待出来る。
  2. 防暑対策が不十分な牛舎では、特に効果が期待出来る。
  3. 深層地下の冷水等を利用するのが望ましい。
図表1 220793-1.gif
図表2 220793-2.gif
図表3 220793-3.gif
図表4 220793-4.gif
カテゴリ 乳牛

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