子牛育成期及び肥育前期の濃厚飼料給与水準が黒毛和種去勢牛の産肉性に及ぼす影響

タイトル 子牛育成期及び肥育前期の濃厚飼料給与水準が黒毛和種去勢牛の産肉性に及ぼす影響
担当機関 鹿児島県畜産試験場
研究期間
研究担当者 川畑健次
岡野良一
大園正陽
堤知子
坂下邦仁
発行年度 1998
要約 黒毛和種去勢牛の育成期及び肥育前期の濃厚飼料給与水準として、濃厚飼料を制限給与とした粗飼料多給型の飼養でも、増体量、内臓発育、産肉成績に影響しない。鹿児島県畜産試験場・肉用牛部
背景・ねらい 黒毛和種去勢牛について、子牛育成期並びに肥育前期の濃厚飼料給与水準が、増体、内臓発育、産肉性特にロース芯面積、バラ厚、筋間・皮下脂肪等の余剰脂肪に及ぼす影響を段階的にと畜・解体する事により比較検討し、効率的な牛肉生産を行うための飼養技術を確立する。
成果の内容・特徴 供試牛は同一種雄牛産子を用い、生後2.5ヶ月齢で導入後、3.5ヶ月齢より試験を開始し、と畜は8(育成期)、14(肥育前期)、20(中期)、26ヶ月齢(後期)の各試験期終了時に3頭/期・区で行った。濃厚飼料の給与水準は、育成期を、濃厚飼料多給型:HR区(DG1.1kgに必要なTDN量の90%)、標準型:MR区(DG1kg 〃 70%)、粗飼料多給型:LR区(DG0.9kg 〃 70-45%)の3水準とし、肥育前期を濃厚飼料多給型:HF区(開始4ヶ月から飽食)、 粗飼料多給型:LF区( 〃 7ヶ月目 〃 )の2水準とした。また、HR区のみ肥育開始1ヶ月間は飼直し(給与量1kg/日)を行い、中期以降はすべて飽食とした。粗飼料は育成期:イタリアンヘイ、肥育前期:バミューダヘイ、中後期:稲わらをそれぞれ飽食させた。表中の各期ごとのデータは、それ以降のと畜牛を含んでいる。
  1. 育成期に粗飼料を多く給与した区は、肥育期の飼料摂取量が高くなる傾向を示す(表1)。
  2. 育成期・肥育前期に粗飼料多給型で飼養した区でも、肥育期の増体量に差は見られず、後期終了時の体重は同様な値を示す(表2)。
  3. 育成期・肥育前期終了時の枝肉成績は、試験区間でやや差が見られたものの、後期終了時にはほぼ同様な値を示す。また、粗飼料多給した区は、後期終了時の筋間・皮下脂肪が厚くなる傾向にあるが、枝肉中の脂肪割合に差は認められず、肉量は多い傾向を示す(表3)。
  4. 育成期及び肥育前期終了時の1+2胃の容積は、粗飼料を多く給与した方が大きくなる傾向にある(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 黒毛和種去勢牛における、子牛育成期及び肥育前期の適正な濃厚飼料給与水準として活用する。
  2. 農家経営体の飼料生産基盤をもとに,給与飼料中の粗飼料依存割合を考慮する。
図表1 220798-1.gif
図表2 220798-2.gif
図表3 220798-3.gif
カテゴリ 経営管理 肉牛 ばら

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