タイトル |
豚からの窒素およびリン排泄量の低減 |
担当機関 |
熊本県農業研究センター |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
家入誠二
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発行年度 |
1998 |
要約 |
不足するアミノ酸を添加した低タンパク質飼料に有機態リンの消化酵素である微生物由来のフィターゼを250単位添加給与することによって、肥育豚からの窒素とリンの排泄量を低減することができる。熊本県農業研究センター・畜産研究所・中小家畜部
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背景・ねらい |
低タンパク質の理想タンパク質(IP)飼料に有機態リンの消化酵素である微生物由来のフィターゼを添加することによって、生産性を損なうことなく豚からの窒素及びリン排泄量を同時に低減させることをねらいとする。また、フィターゼの子豚用飼料への添加が、ミネラル及び一般成分における消化率に与える影響について併せて検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 1998年版日本飼養標準の新しいアミノ酸要求量に基づく低タンパク質IP飼料を体重40kgの肥育豚に給与するとによって、窒素排泄量を27.8%低減できる(表1、表2)。
- 微生物由来の、有機態リンの消化酵素であるフィターゼを体重40kgの肥育豚の飼料に250単位添加給与すると、リン排泄量を23.5%低減できる(表4)。同時に、全リン、Ca及びMgの消化率が向上するが、一般成分の消化率の向上は認められない(表3)。
- フィターゼを体重40kgの肥育豚豚の飼料中に添加給与しても、豚の発育成績及び飼料摂取量への有意な影響は認められない(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- フィターゼを肥育豚飼料に添加すると、リンやカルシウムの利用性が向上することから、飼料中への無機リンの添加量を低減できる。さらに、IP飼料と組み合わせることによって、豚からの窒素とリンの排泄量を低減できる。
- フィターゼの0.1%添加は第2リン酸カルシウム1.0%(有効リンとして約0.17%)の添加に相当することから、フィターゼの添加を考慮して飼料中の有効リン含有量が要求量を満たすように飼料設計すること。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
飼料設計
豚
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