分娩月毎の乳量・乳代・所得の検討

タイトル 分娩月毎の乳量・乳代・所得の検討
担当機関 熊本県農業研究センター
研究期間 1998~1998
研究担当者 開俊彦
野中敏道
圓山繁
発行年度 1998
要約 305日間乳代が最も多い分娩月は、初産牛では4、5月、2産牛以上では2、3月である。逆に少ない分娩月は、初産牛、2産牛以上共に9月である。所得は、初産牛、2産牛共に4、5月分娩牛が多く、9月分娩牛が少ない。熊本県農業研究センター・畜産研究所・大家畜部
背景・ねらい 生乳移出県である九州各県は、冬季の生乳販売を有利に行うために全国に先駆けて季節別乳価制度を取り入れてきた。このため、酪農家は暑熱対策を講じると共に、分娩時期が春季になるように繁殖管理や初産牛の導入時期の調整に努め、乳価が高い夏季の牛乳生産量を増加してきた。この結果、九州各県は年間を通して有利な生乳販売を行っている。しかし、春季分娩が所得で有利であるかは不明であることから、九州地域の乳牛の季節別泌乳パターンの代表として、鹿児島県の牛群検定成績から求めた分娩月毎の泌乳曲線を用い、それに熊本県の月別乳価を当てはめ、分娩月別乳量.乳代.所得の試算から春季分娩の所得を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 305日間乳量は、初産牛では7月分娩牛が7975kgで最も多く、12分娩牛が最も少ないが、季節による差はあまり見られない。2産牛以上では2、3月分娩牛が最も多く、5月分娩牛が7965kgと最も少ない(図1、図2)。
  2. 305日間乳代は、初産牛では泌乳最盛期が夏季の高乳価になる4、5月分娩牛で76万円前後の乳代となり最も多く、逆に泌乳最盛期の乳価が安い8、9月分娩牛が70万円で最も少ない。2産牛以上では乳量が著しく多い2、3月分娩牛が80万円前後で最も多く、次いで乳量は少ないが泌乳最盛期が夏季の高乳価になる4、5、6月分娩牛が78万円前後で多く、泌乳最盛期の乳価が安い9月分娩牛が72万円で最も少ない(図3.図4)。
  3. 年間所得は、初産牛では乳代が多い4、5月分娩牛が21万円弱で最も多く、乳代が少ない9月分娩牛が15万円台で最も少なくなり、乳代と同様な傾向となる。2産牛以上では4、5月分娩牛が22万円前後で最も多く、9月分娩牛が15万円台で最も少ない(図5.図6)。
成果の活用面・留意点
  1. 分娩月による所得格差は、授精月.外部導入月.淘汰処分月決定の参考となる。
  2. 所得の試算において、乳量に一律の牛乳生産コストを乗じているが、乳量水準や季節、疾病、繁殖状況等の要因を試算に加味する必要がある。

図表1 220819-1.gif
図表2 220819-2.gif
図表3 220819-3.gif
図表4 220819-4.gif
図表5 220819-5.gif
図表6 220819-6.gif
カテゴリ コスト 乳牛 繁殖性改善

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