タイトル |
バヒアグラスの低硝酸態窒素への選抜効果 |
担当機関 |
鹿児島県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
澤井 晃
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発行年度 |
1998 |
要約 |
窒素供給量の多い圃場で栽培した暖地型牧草の硝酸態窒素含有率には、草種間差と品種間差があり、バヒアグラスの硝酸態窒素はローズグラスの5分の1以下である。現有の育成系統から低硝酸態窒素のバヒアグラスを選抜することができる。鹿児島県農業試験場・大隅支場・牧草育種研究室
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背景・ねらい |
畜産物に対する需要が多くなるにつれて、家畜の飼養頭数が増加し、それにともない糞尿量も増加した。家畜糞尿を長期にわたり多量に農地へ還元した場合には、窒素をはじめ多くの肥料成分が過剰となり、家畜に有害な硝酸態窒素が飼料作物に蓄積する問題点がある。そこで、暖地型牧草を対象として、窒素供給量が多い圃場で、育成中の系統から、低硝酸態窒素について選抜する。
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成果の内容・特徴 |
- ローズグラス「アサツユ」に含まれる硝酸態窒素は、「カタンボラ」より少ない(図1)。
- バヒアグラスの地下部にあるほふく茎の乾物重量は、葉身・葉鞘・開花茎から成る地上部の8割前後であり(表1)、地上部の約2倍の硝酸態窒素を含む(図1)。
- バヒアグラスの地上部の硝酸態窒素含有率はローズグラスの5分の1以下であり、家畜に採食されないほふく茎を含めてもローズグラスより少ない(図1)。
- バヒアグラス「ナンゴク」と「ナンオウ」の地上部の硝酸態窒素含有率の品種間差はないが(図2)、「ナンオウ」の交配後代から低硝酸態窒素と多収性について選抜した個体群の硝酸態窒素は、「ナンゴク」より明らかに少なく、個体植え条件下の収量は「ナンゴク」より少ない(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 低硝酸態窒素で比較的多収性の個体は、バヒアグラス新品種育成の材料として利用できる。
- バヒアグラスとローズグラスの品種選定の参考とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
育種
飼料作物
新品種育成
多収性
品種
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