ラップサイレージ調製によるローズグラス中の硝酸態窒素の低減化

タイトル ラップサイレージ調製によるローズグラス中の硝酸態窒素の低減化
担当機関 鹿児島県畜産試験場
研究期間 1996~1998
研究担当者 井上清視
垣内一明
町田克郎
脇 大作
発行年度 1998
要約 ローズグラス1番草をラップサイレージ調製すると原料草の硝酸態窒素濃度を低減化できる。硝酸態窒素の低減と発酵品質の両面からみると調製時水分は約60%が望ましい。鹿児島県畜産試験場
背景・ねらい 近年,硝酸態窒素を過剰に蓄積した飼料の摂取により牛が硝酸塩中毒になることが問題となっており,飼料中の硝酸態窒素に対する農家の関心も高い。また,ロールベール体系の普及により,春夏作ではローズグラスの栽培面積が増加している。硝酸中毒を回避するためには,サイレージ調製が,乾草調製に比べて有効であることから,ローズグラスについてラップサイレージ調製前後の硝酸態窒素濃度の変化を調べた。
成果の内容・特徴 多肥栽培したローズグラス1番草(硝酸態窒素濃度0.15%)を,高水分(69%),中水分(62%),低水分(42%)のラップサイレージを調製した。ラップサイレージ調製から3ヶ月後に開封し,サイレージの硝酸態窒素,有機酸濃度を調べた。
  1. ローズグラスを3ヶ月間ラップサイレージ調製することにより原料草の硝酸態窒素濃度の7~40%に低減化できる。調製時水分約40~70%の範囲では,高水分のものほど低減効果は大きい(表1,図1)。
  2. サイレージの発酵は,高水分では酪酸発酵するが,中水分,低水分では酪酸発酵しない(図2)。
  3. 硝酸態窒素濃度の低減化と発酵品質の両面からみた場合,ローズグラスラップサイレージの調製時水分は約60%が望ましい。
成果の活用面・留意点
  1. 牛に安全な飼料作物栽培・調製の参考になる。
  2. 硝酸態窒素をさらに多く蓄積した場合の,調製時水分の設定についてはさらに例数を増やして検討する必要がある。
図表1 220846-1.gif
図表2 220846-2.gif
図表3 220846-3.gif
カテゴリ 飼料作物

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