エンドファイトに感染した暖地型イネ科牧野草の害虫に対する摂食阻害作用

タイトル エンドファイトに感染した暖地型イネ科牧野草の害虫に対する摂食阻害作用
担当機関 国際農林水産業研究センター沖縄支所
研究期間 1998~1999
研究担当者 河野勝行(国際農林水産業研究センター)
月星隆雄
高橋敬一
小林真(草地試験場)
島貫忠幸
発行年度 1998
要約 石垣島において、暖地型イネ科植物15草種においてエンドファイトの1種 Ephelis sp.の感染が確認された。これらの草種のうちパンゴラグラスにおいては、アワヨトウ幼虫およびマダラバッタ成虫が感染葉よりも非感染葉をより好んで摂食する。国際農林水産業研究センター沖縄支所・作物保護研究
背景・ねらい 牧草・芝草類では農薬による病害虫の防除が困難なため生物機能を利用した防除方法に期待が寄せられている。エンドファイト(植物内生菌)の中には、耐虫性や耐干性の向上など、栽培上有利な特性を宿主植物に付与するものがあり、一部の寒地型牧草ではすでに実用化されている。本研究では、暖地型の牧草・芝草類におけるエンドファイト感染植物の探索と、感染植物を用いた耐虫性の検討を行った。
成果の内容・特徴
  1. パラグラスBrachiaria mutica (Forsk.) Stapf、シマヒゲシバ Chloris barbata Swarzt.、 ヒメヒゲシバ C.divaricata R.Br.、オキナワミチシバChrysopogon aciculatus(Retz.) Trin.、バミューダグラス Cynodon Dactylon (L.) Pers.、 ジャイアントスターグラス C. pletostachyrus、(K. Schm.) Pilger、パンゴラグラス Digitaria decumbensStent.、アキメヒシバ D. violascens Link、チガヤ Imperata cylindrica (L). Beauv.var. koenigii (Retz.) Durand et Schinz、イトアゼガヤ Leptochloa panicea (Retz.) Ohwi、イヌビエPanicum Crus-galli、Beauv. var. praticola Ohwi、ハイキビP. repens L.、スズメノコビエPaspalumscrobiculatum G. Forst、タチスズメノヒエ P. urvillei Steud.、ムラサキノキビ Eriochloa procera C.H.Hubb.、のイネ科15草種において、エンドファイトの1種Ephelis sp.の感染が確認された。
  2. アワヨトウ幼虫およびマダラバッタ成虫はパンゴラグラスの感染葉よりも非感染葉をより好んで摂食する傾向にある。(図1,図2)。また、マダラバッタ成虫ではパンゴラグラスの感染葉で飼育した場合に、非感染葉で飼育した場合と比較して生存日数が短かくなる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 牧草・芝草類におけるエンドファイト(植物内生菌)利用技術の開発の際の基礎資料となる。
  2. 牧草に利用する場合は本菌の家畜毒性についての検討が必要である。
図表1 220847-1.gif
図表2 220847-2.gif
図表3 220847-3.gif
カテゴリ 病害虫 あわ 害虫 寒地 きび 農薬 ひえ 防除

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