発芽期のパクロブトラゾール散布による「白川」の着果安定

タイトル 発芽期のパクロブトラゾール散布による「白川」の着果安定
担当機関 熊本県農業研究センター
研究期間 1998~1999
研究担当者 磯部暁
北園邦弥
発行年度 1998
要約 ウンシュウミカン「白川」に、パクロブトラゾールを発芽期に散布すると、無散布に比べて新梢が短くなり、緑化が早まるとともに、着果率が向上する。熊本県農業研究センター・果樹研究所・常緑果樹部
背景・ねらい 熊本県育成のウンシュウミカン「白川」は珠心胚実生由来の品種であるため、通常の栽培管理では樹勢が強く結実不安定に陥りやすい。このため、新梢伸長を抑えて果実の生産安定を促すため、新梢伸長抑制剤として登録されているパクロブトラゾールを供試し、樹形のコンパクト化及び着果安定に対する効果を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 発芽期は860ppm~215ppmの処理濃度で新梢伸長抑制効果がみられる。特に、5cm以下の短い新梢割合が高くなり、20cm以上の長い新梢の割合が少なくなる(図1)。
  2. 6月中旬の新梢の止め葉の葉色は、無処理区に比べて処理区で高く、新葉の緑化が早くなる(図2)。
  3. 処理によって着花数は増加しないが、着果率の向上により着果数が増加する。特に430ppmの処理濃度で効果が高い(表1)。
以上のことから、発芽期のパクロブトラゾール散布は、「白川」の新梢伸長を抑制するとともに、新葉の緑化を早め着果率を向上させることから、「白川」の着果を安定させる効果がある。
成果の活用面・留意点
  1. 使用基準は、新梢の発芽前から5mm以下の時期に、860ppm~430ppmの1回散布である。
  2. 珠心胚実生系等の樹勢が強く新梢伸長が旺盛な品種に適応できる。
  3. 上向きの強く長い枝や、基部が大きい結果枝痕は、散布前のせん定時に基部から除去しておく必要がある。
図表1 220856-1.gif
図表2 220856-2.gif
図表3 220856-3.gif
カテゴリ 温州みかん 栽培技術 品種

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