カンキツ「不知火」の加温ハウス栽培における適正着果量

タイトル カンキツ「不知火」の加温ハウス栽培における適正着果量
担当機関 熊本県農業研究センター
研究期間 1998~1999
研究担当者 北園邦弥
平山秀文
磯部暁
発行年度 1998
要約 「不知火」の加温ハウス栽培では、着果量を樹冠容積1立方メートル当たり14果内外とすることで、果実の大きさが3L~4L果主体となり、細根活性が高く樹勢が維持でき、翌年の着花(果)も良好で安定生産できる。
背景・ねらい 「不知火」は、糖度が高く、食味が良好なことから、カンキツ産地で急速に栽培面積が増加しているが、露地栽培では、樹勢の低下、酸高果実の発生、収量が低い等の問題もみられる。今後「不知火」の安定生産を図るためには、施設栽培が有効と考えられており、そのための技術確立が望まれている。ここでは、1月下旬から加温を開始した「不知火」の着果量の違いが、果実や樹体に及ぼす影響を調査し、適正着果量について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 果実肥大は、着果量が少ないほど良好であり(図1)、樹冠容積1立方メートル当り着果数を12果~16果にすると、収穫時の果実階級は、3L~4L果主体となる。逆に、着果量が多いほど果実横径が8.0~8.8cmの2L果の割合が高くなる(図2)。
  2. 細根の活性は、1立方メートル当たり着果数が少ないほど高く、多くなると劣る(図3)。
  3. 着果量の違いによる果実品質の差はほとんどみられない(データ略)。
  4. 翌年の着花数は、12果区、16果区に比べて、20果区では少なく、新葉発生数も少ない。また、生理落果後の着果数は、12果区に比べて、16果区、20果区でやや少ない(表1)。
以上のことから、樹冠容積1立方メートル当り着果数を14果内外とすることで、果実肥大も良好で、翌年の着花(果)数も問題がなく、連年結果につながる。
成果の活用面・留意点
  1. 樹冠容積1立方メートル当たり14果の着果量のめやすとしては、葉果比で70~80枚に1果程度である。
  2. 着果量は、樹勢の違いによって加減する必要がある。
  3. 「不知火」の加温栽培園に適用できる。
図表1 220857-1.gif
図表2 220857-2.gif
図表3 220857-3.gif
図表4 220857-4.gif
カテゴリ 施設栽培 良食味 その他のかんきつ

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