自然条件下におけるブドウの自発休眠完了に必要な低温要求量の品種間差異

タイトル 自然条件下におけるブドウの自発休眠完了に必要な低温要求量の品種間差異
担当機関 大分県農業技術センター
研究期間 1997~1998
研究担当者 加来靖英
広瀬正純
中尾茂夫
発行年度 1998
要約 ブドウの自発休眠完了に必要な低温要求量には品種間差があり、「安芸クイーン」、「藤稔」は摂氏7.2度以下の低温で500時間程度、「巨峰」、「ピオーネ」、「デラウェア」は600時間以上である。大分県農業技術センター・果樹部
背景・ねらい ブドウは、自発休眠の完了が不十分な状態でビニル被覆加温すると、萌芽遅延、萌芽率低下、新梢伸長の不揃い等が発生し問題となる。そこで、本県における自然条件下での自発休眠完了に必要な低温要求量の品種間差異を明らかにする。
成果の内容・特徴 各品種とも2年生ポット植え樹を屋外で育成管理しておき、秋冬季(11月~1月)の自然条件下で、摂氏7.2度以下の低温に遭遇させた積算時間を200、300、400、500、600時間に設定し、それぞれの設定時間に達した時点でビニルハウス(摂氏15~25度)に搬入し、萌芽状況を2~3日間隔で調査した。加温開始から萌芽開始までの所要日数、萌芽開始から最高萌芽率に達するまでの所要日数および最高萌芽率から、各品種の休眠完了に必要な低温要求量を判定した。
  1. 加温開始から萌芽開始までの所要日数は、各品種とも低温遭遇時間が長くなるほど短縮される傾向を示し、「安芸クイーン」、「藤稔」は500時間で最短となり、それぞれ24日、29日である。「ピオーネ」、「巨峰」、「デラウェア」は600時間まで短くなる傾向を示し、この時点での所要日数は、それぞれ30日、31日、36日である(図1)。
  2. 萌芽開始から最高萌芽率に達するまでの所要日数は、各品種とも低温遭遇時間が長くなるほど短縮される傾向を示し、「安芸クイーン」、「藤稔」、「デラウェア」は500時間で最短となり、それぞれ22日、20日、23日である。「ピオーネ」、「巨峰」は600時間まで短くなる傾向を示し、この時点での所要日数は、それぞれ20日、22日である(図2)。
  3. 最高萌芽率は、「ピオーネ」の200時間遭遇時点における85%を除き、いずれも90%を越える。さらに、500時間ではいずれも100%近い非常に高い萌芽率を示し、上記の各所要日数から休眠完了を判定する裏付けとして、十分な萌芽率と考えられた(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本データは各品種の加温開始時期決定の指標として活用する。
  2. 摂氏7.2度以下の低温遭遇時間の積算には、アメダスあるいは気象ロボットの1時間毎の気温データを利用する。
図表1 220859-1.gif
図表2 220859-2.gif
図表3 220859-3.gif
カテゴリ 品種 ぶどう ロボット

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