接ぎ木法による日本ナシの低温要求量の推定法

タイトル 接ぎ木法による日本ナシの低温要求量の推定法
担当機関 鹿児島県果樹試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 佐野憲二
西元直行
藤崎満
木崎賢哉
発行年度 1998
要約 日本ナシの自発休眠完了時期や低温要求量を求める方法として、接ぎ木法は、処理による発芽等の反応が敏感で、操作も簡便であることから、従来の切り枝法や鉢植え法より有効である。鹿児島県果樹試験場・北薩支場
背景・ねらい 日本ナシの自発休眠完了時期や低温要求量を求めるには、従来より切り枝法や鉢植え法による方法が用いられてきた。しかし、これらの方法は処理区のデータにばらつきが大きいなどの問題点が多かった。そこで、処理後の発芽等の反応が敏感で、より正確なデータが得られる処理方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 切り枝法による自発休眠完了時期及び摂氏 7.2度以下の低温要求量は1989年の調査で、1月13日、772時間である。ただし、枝の黒変やカビの発生等により、判定が困難である。(データ略)。
  2. 鉢植え法による自発休眠完了時期及び 摂氏7.2度以下の低温要求量は1993年の調査で、1月21日、721時間である。ただし、鉢が大きいため取り扱いが不便であり、なお、発芽、開花も不ぞろいとなる(表1)。
  3. 接ぎ木法による自発休眠完了時期及び 摂氏7.2度以下の低温要求量は1995年の調査で、1月24日、750時間であり、発芽、開花もそろいやすい(表2)。さらに、調査時の枝質がそろえやすく、発芽等の反応が敏感に現れること、発芽後の生育が順調に進むこと、人為的に低温に遭遇させる場合も切り枝(穂木)を小さな低温装置を利用して簡便に試験できることなどの利点がある(データ略)。
  4. 数か年の調査により日本ナシの自発休眠完了時期及び摂氏 7.2度以下の低温要求量は、接ぎ木法では1月17日で781時間、切り枝法では1月21日、756時間、鉢植え法では1月18日、750時間、とほぼ同様の結果である(表3)。
以上のことから、日本ナシの自発休眠完了時期及び低温要求量を求めるための試験方法として接ぎ木法は、正確なデータが得られる有効な方法である。
成果の活用面・留意点 自然低温遭遇時間は年次、地域によって差があるので、地域ごとに秋冬季の11月1日からの摂氏7.2度以下低温遭遇時間を確認する必要がある。
図表1 220886-1.gif
図表2 220886-2.gif
図表3 220886-3.gif
図表4 220886-4.gif
カテゴリ 接ぎ木 日本なし

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