かんしょ塊根肥大と貯蔵タンパク質の集積との関係

タイトル かんしょ塊根肥大と貯蔵タンパク質の集積との関係
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 荒川祐介
正岡淑邦
増田泰三
発行年度 1998
要約 かんしょ塊根肥大初期において塊根が肥大すると塊根のタンパク質濃度が高まる。塊根の収穫指数が大きい品種または窒素・カリウムの栄養条件では塊根の窒素はより多くの割合がタンパク質に同化される。九州農業試験場・生産環境部・上席,土壌資源利用研究室
背景・ねらい かんしょの塊根肥大に影響する窒素とカリウムの施肥量を変えてポット栽培し,塊根の生長と各種体内成分の集積との関係を検討する。さらにより多くの品種を用いて,塊根生産の重要な要素である収穫指数と塊根のタンパク質濃度との関係を検討する。塊根のタンパク質のほとんどは貯蔵タンパク質のスポラミン、β-アミラーゼで占められる。
成果の内容・特徴
  1. かんしょ塊根肥大初期において塊根の生育は窒素とカリウムの栄養条件により変動し、この変動は供試した二品種でともに塊根のタンパク質濃度と高い相関が認められる(図1)。塊根のタンパク質濃度には品種間差があり、同一栄養条件では「ベニオトメ」が「ベニハヤト」より濃度が高い(表1)。
  2. また、塊根の全窒素に占めるタンパク態の窒素の割合と収穫指数との間にも正の相関が認められる(図2)。さらに、施肥反応性の異なる四品種を通じて塊根のタンパク態の窒素の割合と塊根の収穫指数との間にも正の相関が認められる(図3)。塊根の収穫指数が大きい品種または窒素・カリウムの栄養条件では塊根の窒素はより多くの割合がタンパク質に同化される。
  3. 塊根肥大中期では、塊根肥大初期に比べて塊根の窒素のタンパク質に同化された割合が高い。
成果の活用面・留意点
  1. 塊根の窒素のタンパク質同化割合は品種や窒素・カリウムの栄養条件等を反映し、塊根肥大の指標となる。この知見は新しい品種の選抜方法や施肥管理技術の改良に寄与する。
  2. 塊根形成初期以降に塊根肥大を支配する要因や養分吸収とタンパク質蓄積の因果関係が未解明。
図表1 221016-1.gif
図表2 221016-2.gif
図表3 221016-3.gif
図表4 221016-4.gif
カテゴリ 肥料 かんしょ 管理技術 施肥 品種

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