人工降雨によるマルチ被覆の細粒赤土流出防止効果解析

タイトル 人工降雨によるマルチ被覆の細粒赤土流出防止効果解析
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 山田一郎
久保寺秀夫
松永俊朗
持田秀之
発行年度 1998
要約 人工降雨実験装置を用いて,ススキと植生によるマルチ下における細粒赤土の流出量を調べた。雨量が30mm/hrまでの場合は,ススキや植生の全面マルチにより,流出水の濁度は沖縄県条例での赤土流出の基準値200ppm以下に抑えられる。九州農業試験場・生産環境部・土壌資源利用研究室、九州農業試験場・畑地利用部・生産管理研究室
背景・ねらい 植生帯や作物残渣マルチ等による土壌表面被覆は,南西諸島沿岸海域への細粒赤土の流出防止での有望な技術の一つであるが,その効果を評価するためには,降雨量・時間を正確に制御した条件下での土壌流出定量試験が必要である。そのため,人工降雨実験装置を用いて,表面被覆と土壌流出の関係について解析を行う。
成果の内容・特徴
  1. 表面流出水(図1)の濁度は,裸地区>>一部ススキマルチ区>>全面ススキマルチ区,植生区の順である。雨量が30mm/hr以下では,濁度は全面ススキマルチや植生の被覆により,沖縄県条例の基準値200ppm以下に抑えられる。40mm/hr以上ではすべての被覆で200ppmを超えるが,全面ススキマルチ区や植生区では裸地区に比べて1/5~1/10の濁度となる(図2)。
  2. 細粒赤土の流出量は,雨量が40mm/hrの場合でも全面ススキマルチと植生区では極めて少なく,全面ススキマルチではその効果は50mm/hrでも持続する(図3)。
  3. 雨量が40mm/hr以上では,すべての区で,細粒赤土(シルト以下の画分)が全流出物のほとんどを占める(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験は,図1のように有底木枠に充填し,ススキや植生でマルチをした国頭マージ(赤色土)を20~50mm/hrの降雨下に10分間置き,採取した表面流出水のデータである。
  2. 雨量が40mm/hr以上の場合は,細粒赤土流出が極少量でも,流出水の濁度は200ppmを超えるので,極少量の細粒赤土の流出を抑える新技術の開発が必要である。
図表1 221018-1.gif
図表2 221018-2.gif
図表3 221018-3.gif
図表4 221018-4.gif
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