低平地から中山間地水田まで利用できる開水路用熊農研式田面水位調節器

タイトル 低平地から中山間地水田まで利用できる開水路用熊農研式田面水位調節器
担当機関 熊本県農業研究センター
研究期間 1998~1998
研究担当者 兼子健男
村川雅己
発行年度 1998
要約 水田の開水路用の用水調節器で、構造は箱型容器をフロートとして利用し、止水栓と直結して利用する。利用できる範囲は、低平地水田から中山間地水田(用水路から水田面まで落差2.0m)である。構造が簡易であるため低コストで製造可能である。熊本県農業研究センター・農産園芸研究所・農業工学部
背景・ねらい 低平地から中山間における、開水路を利用した水田の田面水位調節器を、簡易な構造で開発し、水管理の省力化及び用水の節減を図る。
成果の内容・特徴
  1. 開発を行なった田面水位調節器の構造及び作動原理を図1に示す。作動原理は、水位の下降・上昇とともにフロートと連結した止水栓が下降・上昇することにより、用水の供給または止水が行なわれる。
  2. 田面水位調節器構造の簡易化が図られたこと、及びフロートに空のペットボトルを利用したことにより、機器の低コスト化が図られる。
  3. 「フロートの浮力・止水口径」の組合わせが(1)「38.4N(ニュートン)・30mm」、(2)「38.4N・50mm」、(3)「71.2N・50mm」と3タイプの田面水位調節器を開発した。
  4. 止水設定水位に対する誤差は、止水口径が小さい方が、また浮力が大きい方が少誤差となる。(表1)
  5. 開発を行なった田面水位調節器を用水位調節器として使用した場合、水の落差(水頭)とほ場管理可能面積の関係を図2に示す。管理可能面積は、水の落差が大きいほど流下水量が増加するため広くなり、小さいほど狭く、止水口径に比例し、(1)で20~30アール、(2)で47~70アール、(3)で45~82アールである。止水能力は(1)と(3)は2mまで可能であるため、(3)を利用することで低平地から中山間地の開水路を利用した水田(30~60アール)に十分利用できる。
  6. 設定水位の変更は、フロート内に入れる水の量に応じた浮力により調整が可能である。
  7. 熊農研式田面水位調節器の吐出口と止水栓を上方に向けて設置することで排水調節が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. フロートの浮力の大きさによる調節器本体の浮きあがり防止と、洗掘防止のため、調節器を下方に設置したブロック板等で固定する必要がある。
図表1 221022-1.gif
図表2 221022-2.gif
図表3 221022-3.gif
カテゴリ 省力化 水位調節 水田 中山間地域 低コスト 水管理

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