アスパラガス及びトルコギキョウの新生産技術を導入した中山間地域の営農類型モデル

タイトル アスパラガス及びトルコギキョウの新生産技術を導入した中山間地域の営農類型モデル
担当機関 長崎県総合農林試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 寺島正彦
鳥羽由紀子
発行年度 1998
要約 中山間地域の複合経営確立のための簡易施設を利用した野菜花きの生産技術であるアスパラガス半促成長期どり栽培と冷房育苗トルコギキョウ栽培の経営評価として、水稲またはバレイショ主体の経営にこれらの新生産技術を導入した新しい営農類型の11類型を提示する。長崎県総合農林試験場・経営部・経営科
背景・ねらい 中山間地域の複合経営確立のための簡易施設を利用した野菜花き生産技術の経営評価として、兼業農家や高齢・女性農家にも取り入れることのできる新技術を導入した営農モデルの提示が必要である。特に、現状の水稲及びバレイショを主作目とする経営の改善を図るため、技術開発の課題となったアスパラガス半促成長期どり栽培と湧水利用等の冷房育苗によるトルコギキョウ栽培を導入した場合の営農指標として新たなモデルを策定する。
成果の内容・特徴
  1. 営農類型モデルは、対象地域の農業労働力の存在形態や営農類型の実態を踏まえ、水稲及びバレイショ経営の改善を想定し、農業所得目標と労働力保有量別に3区分し、それぞれの条件で合計11類型を策定した。
  2. 農業所得200~300万円を目標とする類型は、労働力が1.0~1.5人程度の高齢・女性専業農家、兼業農家を対象としたもので、水稲+春バレイショ+アスパラガス+年明レタスなどの4種類である。
  3. 農業所得500万円を目標とする類型は、労働力が2.0人程度の高齢専業農家などを対象としたもので、水稲+アスパラガス、春バレイショ+アスパラガス、水稲+トルコギキョウ、春バレイショ+トルコギキョウ等の5類型である。
  4. 農業所得700万円を目標とする類型は、労働力が2.5人程度で雇用労働力を前提とした専業農家などを対象としたもので、春バレイショ+アスパラガス+冬ニンジン、水稲+春バレイショ+トルコギキョウ+冬ニンジン+年明レタスの2類型である。
成果の活用面・留意点
  1. 中山間地域等において、水稲またはバレイショ主体の経営に、新技術開発によるアスパラガスやトルコギキョウ(冷房育苗)栽培の導入を検討する際に活用できる。
  2. 中山間地域農業の再編のため、地域農業振興計画など策定する際に活用できる。
    新生産技術の導入と定着については、技術的支援や行政的支援など関係機関の支援が不可欠である。
  3. 水稲、バレイショ以外の品目の設定は、対象地域及び近隣地域の主要品目に限定し、それらの品目の面積拡大の可能性が高いものを想定したので、他品目を検討する場合は基礎データを整理すれば、それぞれの地域に適合した類型を策定することが可能である。
  4. 営農類型モデルの策定については、試算計画法を援用して当経営科で作成した「営農類型試算プログラム」を使用した。
図表1 221036-1.gif
カテゴリ アスパラガス 育苗 経営管理 水稲 中山間地域 トルコギキョウ にんじん ばれいしょ レタス

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