タイトル |
早生良質良食味の水稲新品種候補系統「佐賀18号」 |
担当機関 |
佐賀県農業試験研究センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
水稲「佐賀18号」はキヌヒカリ/東北143号(後の「ひとめぼれ」)の組合せから育成されたもので、「日本晴」に比べ、出穂、成熟期が3~4日早い早生種である。稈長はやや長く、穂数は同等の中間型品種である。収量性は同程度で、外観品質が優れ、食味は「コシヒカリ」並の極良食味である。佐賀県農業試験研究センター・バイオテクノロジー部・水稲育種研究室
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背景・ねらい |
本県の山麓地帯では早生の「日本晴」、中生の「ヒノヒカリ」が作付されているが、食味の面で「日本晴」の流通評価は低下してきている。また作付が「ヒノヒカリ」に偏重し、一部には共同乾燥調製施設での荷受けの集中や、刈り遅れ等により品質の低下を招いている。このため、「日本晴」より食味の良く、「ヒノヒカリ」より早生の品種が強く望まれている。そこで、早生で良質、良食味の品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
「佐賀18号」は平成3年、佐賀県農業試験研究センターにおいて、「キヌヒカリ」を母、「東北143号(後の「ひとめぼれ」)」を父として人工交配した組合せから育成され、平成11年度はF9となる。本系統の特性は「日本晴」と比較して、以下のとおりである。
- 出穂期は3日、成熟期は4日早い早生種である。
- 稈長は5[cm]長く、穂長は2㎝短く、穂数は同程度の“中間型”である。
- 葉色がやや濃く、止葉の直立性は“中”で、籾は稀に極短芒を有する。
- 稈質は“やや柔”で、耐倒伏性はやや劣る“やや弱”である。
- 脱粒性は“難”で、穂発芽性は“中”である。
- いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pii”と推定され、圃場抵抗性は葉いもち、穂いもちとも弱い“弱”である。また、白葉枯病抵抗性もやや弱い“やや弱”である。
- 玄米千粒重及び収量性は同程度である。
- 玄米の形状は長さが短く、幅及び厚さが広く厚い。外観品質は優れる。
- 食味は外観、粘り、軟らかさに優れる「コシヒカリ」並の極良食味である。
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成果の活用面・留意点 |
- 本県の標高200m以下の山麓地及び平坦地上部の「日本晴」に替えて普及を図る。
- 耐倒伏性がやや弱いので、多肥栽培は避ける。
- いもち病及び白葉枯病に弱いので常発地帯での栽培は避け、適期防除を行う。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
育種
いもち病
乾燥
新品種
水稲
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
防除
良食味
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