タイトル |
キャベツ後作水稲の打込み式湛水土中点播栽培に適する良食味水稲品種 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
キャベツ後作で窒素量が多い圃場条件において、湛水土中点播栽培に適する水 稲品種は、苗立ち率、倒伏程度、いもち病、収量、検査等級および食味から総合的に判断して「どんとこい」が最も有望で、次いで「ほほえみ」である。福岡県農業総合試験場・農産研究所・栽培部・作物品種研究室
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背景・ねらい |
稲-野菜二毛作体系による大規模土地利用型農業では、野菜の収穫作業と水稲の育苗作業との労力競合の回避および水稲の省力栽培技術として、耐倒伏性に優れる水稲の土中点播による湛水直播栽培が期待されている。しかし、野菜後作の湛水直播栽培では、野菜残さの窒素の発現により、倒伏の増大およびいもち病の多発を招くとともに、食味の低下が懸念される。そこで、キャベツとの二毛作体系における打込み式湛水土中点播栽培に適する水稲良食味品種を選定する。
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成果の内容・特徴 |
- 苗立ち率は、「つくし早生」、「どんとこい」が優れる。押倒し抵抗値が大きい「つくし早生」、地上部の曲げモーメントに関係する稈長と穂長が短い「どんとこい」は、倒伏程度が小さい。穂いもち病の発生は、「どんとこい」、「ほほえみ」、「つくし早生」は同程度である(表1)。
- 収量関連形質では、「どんとこい」はm2当たり籾数を確保しやすく、「つくし早生」は登熟が良好で千粒重が重く優れる。食味は、キャベツ残さなどの窒素量が多い条件下では、「どんとこい」、「ほほえみ」が優れ、「つくし早生」は精米中のタンパク質含有率が高くなるために劣る(表2)。
- キャベツ後作の湛水土中点播栽培に適した良質・良食味品種は、苗立ち率、倒伏程度、穂いもち発生程度、収量性、検査等級および食味から総合的に判断して「どんとこい」が最も有望で、次いで「ほほえみ」が有望である(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 稲-野菜二毛作体系の野菜残さ等の窒素量が多い条件下における湛水土中点播栽培用の良質・良食味品種として普及を図る。
- 「つくし早生」を栽培する場合は、精米タンパク質含有率を下げるために施肥量を減らす必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育苗
いもち病
キャベツ
栽培技術
直播栽培
水稲
施肥
二毛作
品種
良食味
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