タイトル |
早播き適応性のめん用早生小麦新品種「イワイノダイチ」 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
イワイノダイチは、暖地・温暖地に適応する秋播性程度Ⅵの早生で、茎立期が遅いため早播き適応性があり、短稈で耐倒伏性が強い。穂数がやや多く、千粒重が重く、多収である。縞萎縮病に強く、うどんこ病にやや強く、穂発芽耐性はやや強い。高製めん性系統で、福岡県で準奨励品種、大分県で認定品種に採用予定である。九州農業試験場・水田利用部・麦育種研究室
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背景・ねらい |
暖地における小麦作では、収穫期の雨害回避及び水稲との作業競合回避のため、早生品種が求められており、これまでにも多くの早生品種が普及に移されている。しかし、現在普及している早生品種は、播性Ⅰ~Ⅱの春播型のために暖冬年では茎立が早すぎ、凍霜害や分げつ不足のため収量が低下しやすい。これらの問題を解決し、収量及び品質の安定を図るため、秋播性が高い早生品種の開発を図った。
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成果の内容・特徴 |
この系統は、めん用として育成した秋播性が高い早生種で、農林61号に比較して次のような特徴がある。
- 播性はⅥ、茎立ちは遅く、出穂期で5日、成熟期で4日早い早生種である。
- 稈長は10cm短く、耐倒伏性は強い。
- 褐ぷで、穂長はやや長く、穂数はやや多い。
- 千粒重は重く、収量は多い。容積重はやや重く、外観品質は良好である。
- 赤かび病、うどんこ病に強く、赤さび病にはやや弱い。穂発芽耐性はやや強い。
- 製粉歩留は同程度で、原粒及び60%粉灰分は低い。
- 原粒及び60%粉粗蛋白質含量は同程度かやや低い。
- 60%粉の粉色は、白さ、明るさともやや低い。
- アミログラムの最高粘度は高く、ブレークダウンは大きい。
- めんの色、粘弾性及びなめらかさに優れる。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培適地は温暖地・暖地の平坦地である。
- 秋播型のため早播き適性があり、播種適期幅が広い。
- 分げつ数が多いので厚播きを避け、適正量を播種する。
- 耐倒伏性は強いが、極端な多肥栽培は避ける。
- 穂発芽耐性はやや強いが十分ではないので、適期収穫に努める。
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図表1 |
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カテゴリ |
育種
萎縮病
うどんこ病
小麦
新品種
水田
水稲
播種
品種
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