タイトル |
シラス土壌の湛水直播栽培における落水出芽での出芽向上対策 |
担当機関 |
鹿児島県農業試験場 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
シラス土壌における湛水直播の落水出芽では、シラス土壌は透水性が良いため、土壌水分の減少が早く、土壌表面が硬くなりやすい。過度の土壌乾燥は、土壌表面硬度を高め、出芽を阻害する。播種後の土壌へ水分補給を行うと、土壌表面硬度が低下し、出芽率が向上する。鹿児島県農業試験場・作物部
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背景・ねらい |
九州南部シラス土壌地帯における湛水直播栽培は、播種深度及び出芽苗立の確保のために、播種後は落水して出芽させている。しかし、シラス土壌は透水性が良いため水の落ちが早く、土壌が過度に乾燥する場合があり、出芽に影響を及ぼすことが懸念されている。そこで、落水出芽した場合の土壌特性を把握し、シラス土壌で出芽苗立が確保できる落水出芽法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- シラス土壌は、灰色低地土に比べ出芽が遅くなる傾向があり、出芽が遅い種子ほど最終出芽率が低い(図1)。
- 播種籾の発芽率は、灰色低地土及びシラス土壌とも差はない。しかし、シラス土壌は、発芽しても出芽に至らない個体が灰色低地土に比べて多い(図2)。
- シラス土壌は透水性がよく水の落ちが早いため、灰色低地土に比べ、土壌水分の減少が早く、また土壌表面が硬くなりやすい(図3)。
- 落水出芽期間中に土壌に水分を供給すると、土壌表面硬度が低下し、出芽率が向上する(図2,図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- ポット試験で得られた結果である(乾籾の二倍重の酸素供給剤を粉衣した種子を使用)。
- 休眠の醒めた種子を使用する(種子の出芽速度を確認して、必要に応じて乾熱処理を行う)。
- スクミリンゴガイ棲息ほ場では食害を受ける場合があるので、走り水程度で長時間の湛水は行わない。
- 落水期間中に降雨がなく、土壌が乾燥する場合には水分補給を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
乾燥
直播栽培
スクミリンゴガイ
播種
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