タイトル |
暖地水田におけるイヌホタルイとコナギの発生期間の予測 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
日平均気温がイヌホタルイとコナギの発生始期と発生終期別に定めた下限値以上の場合に積算し、その積算値が一定以上となった翌日を雑草の発生始期あるいは発生終期とし、発生始期から終期までの期間を雑草発生期間として予測する。九州農業試験場・水田利用部・雑草制御研究室
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背景・ねらい |
近年の水田除草剤の開発は、体系処理から1回の処理で十分な効果のある薬剤へ、高活性化による低成分量化、簡易な散布が可能な剤型と軽量化へと進み、環境負荷の軽減に役立ってきた。環境保全型農業の一層の推進のために必要最小限の除草剤使用を可能とする技術の確立を目指して、暖地水田における雑草発生予測法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本雑草発生予測法は有効積算温度を用いたものである。イヌホタルイとコナギの発生予測は代かき日以降(当日も含む)の日平均気温の積算値によって行う。日平均気温が表1に示す草種別、発生始期と発生終期別に定めた下限値以上の場合に積算し、その積算値が一定以上となった翌日を発生始期あるいは発生終期とし、発生始期から終期までの期間を雑草発生期間とする。
- 発生始期については、予測値と実測値との差が大部分±1日の範囲に入り、予測精度が高い(表2)。
- 発生終期については予測値と実測値との差が大きい場合もあり、予測精度が低い(表2)。この原因として、代かき時期における種子の休眠覚醒程度の年次間差(表3)や種子の一次休眠のばらつき(表4)などが影響すると考えられ、予測精度向上には、これらの情報を取り込む必要がある。
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成果の活用面・留意点 |
- 予測値は、雑草発生期間に見合った除草効果の持続期間を有する除草剤の種類と処理時期を判定する際に利用し、環境負荷量を考慮した除草剤の選定に役立つ。
- 雑草の発生には地域性が認められることから、予測に用いる基準値は地域(各県)ごとに策定する必要がある。その際、除草剤適Ⅱ試験のデータ等が利用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
除草
除草剤
水田
薬剤
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