タイトル |
透湿性シートマルチとエチクロゼート剤の組み合わせによる極早生温州の品質向上 |
担当機関 |
鹿児島県果樹試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
耕土が深く品質が向上しにくいほ場に栽植された極早生温州に対して、透湿性シートマルチとエチクロゼート剤の散布を併せて行うことにより糖度が上昇し、着色が促進される。鹿児島県果樹試験場・栽培研究室
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背景・ねらい |
耕土の深い極早生温州ミカンの園地では、透湿性シートマルチ処理だけでは品質向上しにくいという課題がある。そこで、シラスを母材とする灰色台地土(深さ80cm、「宮本早生」高接ぎ11年生樹)において透湿性シートマルチとエチクロゼート剤散布の組み合わせによる品質向上を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 耕土の深い極早生温州ミカン園において、透湿性シートマルチとエチクロゼート剤散布を組み合わせることにより安定して糖度が高くなり、5月下旬マルチで約1.3度、7月上旬マルチで約1.1度高くなる(表1)。
- 着色は透湿性シートマルチとエチクロゼート剤散布を組み合わせることにより早くなり、収穫時期に着色の進んだ果実の割合が高い(表2)。
- 透湿性シートマルチの単独処理では、5月下旬マルチが約1.0度糖度が高くなり、7月上旬マルチとエチクロゼート剤散布を組み合わせた処理とほぼ同等である。7月上旬マルチでは糖度は約0.5度高くなる。
- 透湿性シートマルチの開始時期では、梅雨時期の雨を遮断する5月下旬マルチが7月上旬マルチより糖度が高くなる。
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成果の活用面・留意点 |
- 5月下旬透湿性シートマルチとエチクロゼート剤の組み合わせでは、樹勢がやや低下する事例もみられるので、収穫後にかん水や葉面散布等を行い、樹勢回復に努める。
- エチクロゼート剤は満開後50~60日後と70~80日後の2回、2000~3000倍で散布する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
温州みかん
樹勢回復
高接ぎ
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