タイトル |
ニンジンの年明けどり高品質栽培のための適品種と株間 |
担当機関 |
長崎県総合農林試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
夏播きニンジンの年明けどり栽培において、品質劣化が少なく多収でかつM級商品収量の多い品種としては、「紅楽5寸」が最も適しており、株間の間隔は、M級商品収量、上物収量ともに最も多い4cmが適している。長崎県総合農林試験場・野菜花き部・野菜科
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背景・ねらい |
ニンジンは長崎県の重要な特産野菜であり、露地野菜の低迷の中で、今後ニンジンを主要な品目として生産拡大と産地育成を図るには、高品質安定生産技術の確立が重要である。そこで、年明けどりをねらった高品質生産のための適品種の選定、栽植距離等栽培法の改善について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- βカロチン含量と尻詰り等の品質特性は、従来よいとされる「黒田5寸」に比べ、「向陽2号」はやや劣り、「紅楽5寸」はほぼ同等である。裂根率は「向陽2号」が最も少なく、「紅楽5寸」は「黒田5寸」と同等ないしかやや少ない(表1、表2)。
- 商品価値が高いとされるM級収量は、「紅楽5寸」が最高で、「黒田5寸」の2倍弱と多収である(表1)。
- 上物収量は「紅楽5寸」が530kg/aと最も多く、最も少ない「向陽2号」の1.5倍強の多収性を示す(表1)。
- 間引き後の株間距離は、4cm区が最も多収である。品種間では「向陽2号」が多収で、次いで「紅楽5寸」、「黒田5寸」の順である(表3)。
- 間引き後の株間距離は、株間が広がるほど根長が長くなり、L級以上の比率が高くなる(表3)。
- 株間距離と裂根率の間には、明瞭な関係はないが、「紅楽5寸」では株間が広がるほど裂根率が高くなる(表3)。
- 「紅楽5寸」は株間4cmが最も多収であるが、株間が広がるほど上物収量は減少する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 省力化に向けて間引き作業を軽減するため、シードテープを活用するとよい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
シカ
省力化
生産拡大
多収性
にんじん
品種
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