タイトル |
熊本農研センター方式イチゴの高設栽培装置 |
担当機関 |
熊本県農業研究センター |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
イチゴ生産の省力・軽作業化を目的に4条内成り方式の高設栽培装置を開発し、専用の肥効調節型被覆肥料を施肥し未分化定植を行うと、安定した連続した出蕾が得られるとともに土耕栽培より多収を示す。熊本県農業研究センター・農産園芸研究所・野菜部
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背景・ねらい |
促成イチゴは収益性の高い品目である。しかし、生産農家にとっては管理のための多大な労働時間としゃがみ姿勢による労働負荷が大きな負担となっており、高齢化問題と相まって経営規模拡大の阻害要因ともなっている。この問題を解決するため、省力化と増収を図るための高設栽培装置を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 装置の仕様はハウスの設置方向に左右されにくい4条内成り方式を採用し、株間は20cmとする。この栽植方式により、10アール当たり株数は約10,000株(図1)。
- 栽培槽は耐熱性樹脂で成型しているため、太陽熱消毒が可能である。また、次年度の苗は収穫株から空中採苗するため、親株床が不要になるとともに土壌病害の発生が大幅に軽減できる(図1)。
- 基肥は本装置専用に開発した肥効調節型被覆肥料を用いると、9月5日の分化前定植でも連続的に花芽が出蕾し、定植作業の円滑化が図られる(表1)。
- 土耕栽培と比較した場合、1株当たりの生産力は劣るが、植付株数が増加しているため面積当たりの収量は優れる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 既存のハウスに設置することは可能であるが、電照施設が必要である。
- 厳寒期の着色促進のため、12~2月はアルミ製の反射シートを張る。
- 既に開発済みのイチゴ省力地床枠育苗装置と組み合わせることで、育苗から収穫まで一貫して立姿勢による作業が可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
いちご
規模拡大
経営管理
栽培技術
省力化
施肥
着色促進
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